八王子復活教会新聖堂ファーストコンサート

2004年11月20日


日本聖公会八王子復活教会の新しい聖堂が今年の7月に聖別式を行い完成しました。すばらしいお天気に恵まれた11月20日、この新聖堂で記念のコンサートが開かれました。まだ旧聖堂だった2001年の冬にも私たちはこの教会でコンサートをさせていただきました。この教会の鈴木裕二司祭様は長年私たちの三光教会の信者さんだった方で、一念発起聖職を目指して会社を辞め、神学校に学んで司祭になられました。その最初の赴任教会です。人柄もすばらしく、三光時代より奥様の容子さんともどもその暖かい雰囲気がとても魅力でした。八王子の教会はいかにもそんな裕二司祭と容子さんらしい明るく暖かな感じの建物です。

旧聖堂にあったステンドグラスは新しい聖堂の正面、十字架の上に移されました。時間によって陽の光があたって美しい色に輝きます。
十字架に向かって正面にクラヴィコード、左に足踏みふいご式パイプオルガン、右にスピネットを置きました。今日のコンサートではこれら17〜8世紀に活躍した鍵盤楽器の音色をお聴きいただきました。
クラヴィコードはバッハがとても愛した楽器で、ピアノはもちろん、チェンバロと比べてもはるかに小さな音ですが、とても表現力豊かな楽器で、演奏者のデリケートな感情がよく伝わります。

金属の小さな板が鍵盤を弾くことで下から弦を叩き音を出します。打弦楽器という点ではピアノと同じですが、違うのは叩いた金属板はそのまま弦を押し上げた状態で止まり、弦長を保って音程を作ることです。しかも一組の弦(音量を増すため2本ずつ組になっています)を2つの音程(鍵盤)が共有します。つまり2つの鍵盤が半音分の弦長をずらした位置を叩くということです。楽器を小さくするための工夫で、クラヴィコードにはさらに一組の弦を4つくらいの鍵盤が共有するものもあったようですが、共有した鍵盤は同時に音が出せないので和音が限られるという難点があります。そこで同時に出すことの少ない不協和の半音に限って共有するこのような楽器が完成したということです。

バッハ;インヴェンション13番 a-moll
バッハ;J・P・Kコレクションよりリュートのためのプレリュード c-moll
バッハ;フランス組曲第5番よりアルマンド クラント サラバンド ガヴォット ジグ



使用したクラヴィコードは山野辺暁彦氏製作(原製作者;Cristian Gottiob Huberi1784ドイツ)
イングリッシュ・ベントサイド・スピネットは小型チェンバロです。音を出す仕組みはチェンバロと同じで、水鳥などの鳥の羽の芯を削って作った小さな爪が鍵盤を弾くと下から上へ弦をはじいて音が出ます。ハープやリュートのような撥弦楽器です。大型のチェンバロは鍵盤が2段あり、ストップも付いて音量や音色を組み合わせによって変えることができますが、スピネットはもっとも単純に1本の弦をはじくのみです。そのため演奏者は音量や音色に拠らない、語り口とでも言いましょうか、アーティキュレーションやフレージングに拠る表現をします。いわば表現の原点というべき”何を語るか”を最も大切にする楽器と言えます。

バード;ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ
マラン・マレ;ラ・フォリア(チェロとの二重奏)
バード;3つのフランス風クラントより


使用したスピネットはSelway Robson1987南アフリカ製作(原製作者は不明1760イギリス)
この楽器は私たちと山野辺さんの出会い、またバッハ以前のすばらしい音楽との出会いのきっかけを作ってくれました。めったにないすばらしい音色を持ち、夢がかなって私たちの宝になりました。
足踏みふいご式パイプオルガンは右下にあるペダルを踏んで楽器の下側の箱の中にあるふいごに空気を貯め、鍵盤を弾くことで上についたパイプに空気を送って音を出します。標準の8フィートにオクターヴ上の4フィート、2オクターヴ上の2フィート(音域により上下2つ)、5度を加える2+1/3の4つのストップで音色や音量を変えます。ふいごを踏むふいご手は演奏家と息を合わせ、必要に応じた送風をします。とてもデリケートな作業で、演奏に大きくかかわります。この日はベテランの山野辺さんが見事なふいご手をしてくださいました。

バッハ;オルガン・コラール”ただ愛する主にのみゆだねまつる者は”BWV.691 BWV.690
バッハ;アリオーソ(チェロとの二重奏)
パッヘルベル;シャコンヌ D-dur


使用した楽器はSelway Robson1987南アフリカ製作
ほかにチェロのソロでバッハの無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード、アルマンド、クラントを演奏しました。

家内のドレスは昨年10月のクロスクラブコンサートのために仕立てたバロック風のドレスです。このようなコンサートにはとてもふさわしく、華やかで気品のある雰囲気が醸し出されました。
MY FAMILY &
PHILHARMONIEKAMMERENSEMBLE