季節のページ

季節ごとの植物や風景など、出会った喜びを残したいと思います。


2006年10月2日 富士山荘にてサンマを喰らう。

フィルハーモニーカンマーアンサンブルのステージマネージャー宮本君とカルマンでドライヴしようという話は、先日のクロスクラブの打ち上げの時に出た。次に仕事場で会ったとき即座に日程を組んだ。

前夜からの雨は止む気配なし。今までなら雨の日にカルマンのドライヴはあり得ないが、今回は雨天決行の腹が決まっていた。それもそのはず、その腹には旬のサンマが収まることになっていたのだ。

前夜、雨音を聴きながら先日の乗馬のページを作っていた。早く寝ないと明日辛いぞと思いつつ、とうとう最後までページを完成させた。風呂に入りベッドにもぐり込んだときは3時を過ぎていた。目覚ましは4時半にセット。起きれるかな、という心配はかつて一度もしたことがない。遊びに行くのに寝過ごすなんてあり得ない。

起きると直ぐ雨がかなり降っていて暗い道をレミとヴィヴォを散歩させる。ショートで戻り、ずぶ濡れの彼らを拭いてやる。いつもならこういう状況で置いて行かれたことのないヴィヴォは当然行く気でいる。だめ、今日は留守番だ。いい子にしていなさい、と言い置くとヴィヴォの怒りの声を振り切ってカルマンで走り去る。

明け方で交通量はさほどではないが、夜通し走ったトラックが多いから背の低いカルマンには脅威だ。43年前の車はテールランプが小さくて暗いから、いつも後ろを気にしていないと、居眠りトラックに追突されるのが一番怖い。

約束の場所で宮本君と会う。さすがは宮本君、朝飯用に雑魚などの混ぜご飯で作ったおにぎりを用意してきてくれた。裏道から甲州街道へ出る。八王子を過ぎ、大垂水峠を越えて相模湖から南へ下りて道志みちへ、山中湖から富士の山荘へ向かう。

つい数日前に乗馬のために来たばかりの山荘に、今度はサンマを喰らうためにやってきた。やはり何よりの贅沢は旬を味わうことだ。そのために自ら材料を求め、調理するのは楽しい。気の合う仲間とじっくり語り合う場はこういうときに生まれる。

この場合、サンマはガスのコンロで焼いてはいけない。当然炭焼きだが、となると外でということになる。そろそろじっとしてると寒く感じる季節だ。富士はこの日の気温13度、雨が降ったり止んだりの天気だった。こんな時は炭火で焼くのにすこし工夫が必要になる。

下からの火が強すぎれば焦げてしまうから、火はよく熾してから少し周りが白くなるくらいに落ち着かせて焼く、これは炭火焼きの常識だ。しかしこの季節、上側からの放熱が早くてなかなかうまく焼けない。まして雨が掛かったのではせっかくの旬のサンマも台無しだ。

そこで今回、蓋を被せることを思いついた。大きな鍋の蓋を探しに雑貨屋の鍋売り場を見に行ったが、思ったようなものが見つからない。そのとき閃いたのが写真右上にある大きな植木鉢。これは使える!

実はこのアイディア、閃いたのは今回のサンマを喰らう仲間の宮本君。うーむ、なかなかの冴えであった。ただし最初に彼が目に留めた植木鉢は近くに行ってよく見たらプラスチック製であった。彼がせっかくのアイディアを引っ込めようとしたとき、私が写真の植木鉢を選びこれだと決定した。彼のアイディアを高く評価し絶対に成功すると確信できたからだ。かつてどこかで読んだ、植木鉢でパンを焼くという記事が頭にあった。
植木鉢の直径はサンマにぴったりである。尻尾も頭も踏まずにちょうどすっぽりと被った。厚さが3cmはある。中ではいい具合に熱対流が起きているが、外は素手で持てるくらいで触れないほど熱くはならない。いやぁ、楽しいじゃないか、待つというのも。直にサンマが焼けるいい匂いがしてきた。

サンマにはスダチが無くてはいけない。サンマも含め全ての材料は食料品屋に10時の開店と同時に入って買い求めたが、スダチだけは万一にも無かったらいけないと宮本君が家から持参してくれた。サンマは一人2尾ずつ、ほかにマグロの塩焼き用切り身、大根おろし、ピーマン、茄子、エリンギ、豆腐とナメコのみそ汁を用意した。
焼きたてのサンマは言葉を失う美味さ。これを始めとしてあとのものも冷めないように順次食べるものを少しずつ焼き、食べてから次を焼くというように時間を掛けただけあってどれもこれも美味かった。サンマに劣らず美味かったのがマグロの塩焼き。これも植木鉢のおかげでいい具合に焼けた。
蓋を被せるアイディアはピザ焼き窯を作りたいという姪の提案から考えた。バーベキュースペースを両方に利用できるようにというわけだ。今回は試さなかったが、今度いつかピザもやってみよう。

というわけで約3時間におよぶサンマを喰らう宴は全てを食い尽くして終了した。大いなる満足を得、静かな雨音を聴きながら様々な話題を語り合う。ゆったりと流れる時間。

意外に早く小腹が空いてきたので、朝買った焼きたてのパンに宮本君の美味いコーヒーを飲んで締めとした。片づけて山荘に鍵を掛け、再びカルマンに乗り込む。帰りは高速に乗って一路家路についた。最後まで完璧な休日。

MY FAMILY &
PHILHARMONIEKAMMERENSEMBLE
季節のページindex