季節のページ

季節ごとの植物や風景など、出会った喜びを残したいと思います。


2009年8月27、28日 秋風の西湖、箱根

一穂が一緒に過ごせるのは年に数週間くらいかな。名古屋の南山大学に入って一人暮らしをしている。弓道部の活動にも積極的なので、正月や春休みや夏休みと言っても、目一杯に帰って来られるわけではない。

でも今年の夏休みはちょうど弓道部の合宿が河口湖だったことも僕たちにはラッキーだったな。僕たちの山荘コンサートの二日前に山荘で合流してから、コンサートの翌日合宿所へ送るまで一緒に過ごせた。そのあと東京の家に帰ってきて、一穂のリクエストでママの手料理のほかに僕の得意料理を作ったり、お気に入りのメキシコ料理やお寿司を食べに行った。

西湖で久しぶりにウィンドサーフィンがしたいという一穂のリクエストは、このところ馬ばかりに傾いていた僕たちにも大いに楽しみな一日になった。
もうだいぶ長いことご無沙汰だったから、機材もコケが生えてかなり迫力ある状態だし、車にキャリアもない。『全部借りようよ』一穂の提案で湖畔でスクールもやってるレストランサンレイクに行ってみると、もうこのごろは下火になってる上に8月も末なのでインストラクターが土曜日にしか来ないと言う。あちゃぁ!さっきパラソルだけ取りに山荘へ寄ったのに…仕方ない、もう一度山荘まで機材を取りに行こう。

山荘までボードやセイルやほかの機材を取りに行く。全部を車に詰め込むと身動きできないくらいになった。後ろや横がよく見えないからそっち側は見てくれよな。

西湖に戻って以前よくサーフィンをやったビーチに機材を降ろす。もうほとんど人がいない静かなビーチは微風が爽やかだ。早速組み立てる。

レミとヴィヴォも久しぶりの湖に喜んで水に入った。
セイルもいい具合に張れた。どれ、ちょっと試してくるかな。あるかないかくらいの微風だが、セイルを立てると気持ちよくかすかな航跡を描きながら進み出した。
一穂はオールで漕ぎながらあとを追う。気持ちいいなぁ!ときどき魚が湖面を跳ねる。澄んだ水の中へ深く潜っていくのが見える。夏の盛りは混んでるけど、秋風の吹く今頃の湖はやっぱりいいな。
浜にはパラソルを立ててママがのんびり本を読んでいる。その横にもう一つパラソルが置いてあるのはレミくんのお休み処。夏休みのはじめに少し体調を崩していたレミくん、ずいぶん元気になって湖の一日を楽しんでる。
前にサーフィンをやってから3年くらいかな。でも20年以上前からやってたから、一度覚えた感覚は忘れないね。ママのいる母港にまっすぐ戻って来られた。
『僕も乗りたい』ヴィヴォは以前はよく泳いだしボードに乗るのも好きだった。久しぶりに乗ってみるか?『うん!』
『ママ、ちょっと行って来るから』

西湖原人の親子が湖面に戻ってきた!
今度は一穂がセイルを付けてやってみる。まだこれが3回目くらいかな。どれ、ちょいと指導してやるか。『僕も行く!』よし、乗れ。
まずはセイルアップ。体重を使ってゆっくり引き上げる。足場が不安定だから無理な力を入れないことだ。ひたすらバランス!
よし、いい感じだ。風の向きを感じられるようにならんとな。『風はお兄ちゃんの背中から来てるよ!』
今日は風がごく弱いから吹き飛ばされることはない。少し自分で試してごらん。どこかへ流されたら救出に行くよ。

理論も大事だが、ある程度のことがわかったら結局は体で覚えなきゃならんのだ。僕も何度も落ちては這い上がり、流されては引き戻してもらって覚えたんだ。山中湖、西湖、本栖湖、青木湖、野尻湖、木崎湖など湖が多かった。最初にセイルアップを教わった山中湖、演奏旅行中に遊んだ大きな野尻湖、初めてプレーニングを体験した木崎湖など忘れられない。
広い中の小さな一点になる。
今夜は山荘ではなく、湖畔のお気に入りのホテルレストラン、マ・メゾンに泊まる。食事は何度もしているが泊まるのは初めて。部屋はインドアプールに面していて清潔で広い。ひと休みしたところでレストランに食事に行く。だんだん暮れていく西湖を見ながらゆっくりと食事をする至福の時。
朝の西湖。すばらしく澄んだ空気に真っ青な空を映した湖面が鮮やか。
レストランのテラスで。

昨夜の食事もおいしかったし、今朝のブレックファストも爽やかな朝の空気と共に心ゆくまで味わった。時間をゆっくりと感じながら過ごせるのがいいな。

今日もいい天気に恵まれた。これから箱根へ回ろう。箱根も我々のお気に入りのスポットだ。
箱根に行ったら必ず寄りたいお蕎麦屋さんがあるんだ。穂し乃庵、仙石原のススキの景色を目の前に見る好スポットなんだ。お蕎麦もおいしいが、ここの地鶏の唐揚げは絶品。
箱根でもうひとつ、いつも訪ねたいと思うのがポーラ美術館。仙石原からちょっと山に入って行った緑に囲まれた美術館。印象派を常設していていつ行っても楽しい。今回はちょうどやっていた『肖像の100年』展を見てきた。絵そのものも興味あるけれど、画家の生涯が波乱に満ちた激しいものであることが多く、彼らの絵が生まれてきた背景として興味を惹かれる。
山のホテルのティールーム、ロサージュも僕たちのお気に入り。芦ノ湖の湖畔の遊歩道を散歩してからここでティータイムを過ごすのはとても楽しい。陽が傾いて山に沈む頃行くことが多いんだが、今はまだ日が長いから沈むまでには至らない。でも移っていく光が何とも美しい。
最高に贅沢な時間を過ごした二日間だったね。やっぱり一穂が帰ってきて家族が揃うと、日頃なかなかできない贅沢をしたくなる。一穂も大学生になって2年目、名古屋の暮らしも当たり前の日常になった。それぞれが自分の生活を守っている。離れていても家族の絆は強い。お互いを想い、尊重しあえる家族。僕の宝だ。

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