季節のページ

季節ごとの植物や風景など、出会った喜びを残したいと思います。


2013年6月 旬の味覚 取れたての山菜 富良野

生徒の発表会が無事に済んでほっとした翌日、朝早い飛行機に乗って旭川空港へ飛んだ。いつもならチェロを持ってログホテル・ラーチでのコンサートが目的だけど、今回はこちらからお願いして話がしたい方々とお会いするために来た。空港から富良野の街までバスに乗って行くのは初めてだから、いつも菅さんの車でお迎えに来ていただいて見ている景色なのだけれど、少し違った印象に思えた。残雪の山々が雄大な景観を見せていた。
富良野駅で菅さんご夫妻に拾っていただき、喫茶・ギャラリーあかならへ。あかならはすてきなお店でコンサートや展示などもなさっている。そちらの篠田さんと書家の福瀬餓鬼先生ご夫妻が待っていてくださった。僕とフィルハーモニーカンマーアンサンブルの今後の活動について構想を聞いていただいた。まだ実現までの道は遠いけれど、いいお話しをいろいろ伺うことができた。

皆さんとお別れして、富良野駅から根室本線に乗り東鹿越まで行くと、駅でログホテル・ラーチの支配人の佐々木さんが待っていてくださった。3月にあの雪でたいへんな中、ラーチのコンサートがあった。コンサート当日は我々を案内してドライブしてくださり、コンサートのあとは激しい雪と風の吹き荒れる夜道を、お客様を安全に送り届けるため真夜中まであちらこちら走り回っておられたと聞いた。さぞお疲れだったに違いなかったにもかかわらず、翌日は我々を空港まで送ってくださった。いつも笑顔を絶やさない佐々木さんには本当にいつもいい思いをさせていただき感謝している。富良野は6月がいいということをそのとき伺って、旬の山菜の天ぷらをぜひ食べたいと思っていた。
ちょうどオケの降り番が取れてまとまった休みになった6月、これはいい機会とばかり佐々木さんに電話をすると、いつものホテルの部屋ではなく、ロッジを取ってくださった。あかならでの面会も済んだので、あとはゆっくりしようと決め込んだ。
ディナーはいつもながらすばらしくおいしかった。ここへ来て期待がはずれたことがない。でも今回はそれ以上に楽しみにしていたのが山菜。翌日朝食のあと、佐々木さんが裏山へ車で連れて行ってくださった。ここは以前にも別のルートを案内してくださったけれど、佐々木さんにとっては庭のようなもの、どこにどんな山菜が生えているか、見当がついている。今一番の味覚は山ウド。芽は一見タラの芽と似ているけれど棘がない。香りが鮮烈でいかにもおいしそう。ほかに三つ葉、ギョウジャニンニク、ササのタケノコ、巨大な蕗とフキノトウ、ゼンマイなど、たくさん収穫してくださった。
空知川に沿って東大の練習林あたりには見渡す限りニセアカシアの花が満開だった。これだけ広大なところにたいへんな数の樹があり、その花が満開というのはなかなかほかで見られるものではないと思う。そのニセアカシアの花が実は天ぷらにして食べられると聞いてびっくり。たくさんの収穫の中に加えられた。
ロッジに戻ると早速佐々木さんが厨房に立ち、準備を始めて下さった。

香りのいい新鮮な素材を手早く料理していただくという最高の贅沢。
揚げたてを次々にいただくのでほんとにおいしかった。やはり佐々木さん一番のお薦めだった山ウドはやみつきになるおいしさだった。ニセアカシアの花の天ぷらも軽い食感がよく、なかなか味わえないだけに貴重だった。地元の人でもあまり知らないという。

お腹一杯旬の味覚を味わって最高の贅沢をした。
翌日、東京へ帰る飛行機は夕方だったのでずいぶん時間があった。この日も佐々木さんは僕のために時間を使って下さり、普通に観光客が訪れることのないとっておきの絶景ポイントをあちこち案内して下さった。ドライブの間、また食事のときもずっといろいろな話ができてとても楽しかった。自然の中で育ち、その自然を愛し、またその恵みに感謝しつつ今の仕事に打ち込んでおられる佐々木さんから、たくさんのことを感じ、考えさせられる有意義な旅だった。

MY FAMILY &
PHILHARMONIEKAMMERENSEMBLE
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