乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2006年10月12日 当面の目標は仮免?

前夜遅く、山荘に来たけど、朝は例によってうれしくて目が覚めた。秋の空だ。富士山はてっぺんにすこし雪が被っている。レミとヴィヴォを散歩させるのに皮コートを着るくらいに冷えていた。

前回初めてレッスンを受けて常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、軽速歩(けいはやあし)を体験した。馬に乗ったことが多少なりとあったとは言え、本格的に乗り方を習ったのは初めてだから、馬の動きに伴う揺れや自分のコントロールで動いてくれる馬の反応など、初めてのことに次々と興奮や感動が体中を走った。部班(ぶはん)、偶角(ぐうかく)、蹄跡(ていせき)、斜め手前変換などの言葉も耳に新しかった。

指折り数えて迎えた2回目の乗馬レッスン。ちょうど2週間の間が空いた。この2週間、我々夫婦の会話はもっぱら。そして一番難しかった軽速歩についての分析であった。速歩の時、馬のリズムに合わせて立つ、座るをやるのが軽速歩。これは2拍子だと言われれば、音楽家としてはリズムは職業柄得意なはず。なのにどうもよくわからない。馬の動きとどうかみ合った2拍子なんだ?

そもそも馬の速歩がよく理解できていない。2拍子をどう捉えたらいいのか、馬の動きを頭で想像しても今ひとつイメージがぴったり来ない。どのタイミングでドンドンという突き上げが来るんだろう。2足歩行の我々では真似ができない。うーむ…

そうだ!レミくんに速歩させてみよう。これは名案だった。もともと歩き方が綺麗なレミくん、常歩から少し速度を上げると見事に速歩に切り替えた。常歩ではパカスカパカスカの4拍子だったのが、速歩では前足と後足が対角線で一緒になりドンドンドンドンの2拍子になった。見たとたん、馬の速歩のイメージがとてもはっきり思い出せた。レミくん、ありがとう!
レミのおかげで馬の速歩がイメージできた。毎日散歩の時にレミに速歩をさせてそれにあわせてタツ、スワルと言いながらタイミングを取る練習をした。でも、なんか違うなぁ…突き上げてくるところへ座ろうとすればぶつかるよなぁ。ドンドンの山と谷があるから、谷に向かうときにお尻が鞍に付かないといけないんじゃないか?立ちが長すぎるっていう注意がときどきあったのはこのことかな?って事は座るのに時間がかかってるってことか。座るんじゃない、お尻が落ちればいいのかな。腕立て伏せは曲げるのに伸ばす方の筋肉を使うんだよな、ゆっくり座るのはこれと同じことだ。だから筋肉を使わずに落とせばいいんじゃないか。そうすれば速いし力が抜ける…椅子にクッションをおいてタツ、オチル、タツ、オチルをやってみると…うん、なかなかいいかも。

2週間の試行錯誤の結論(?)に一応到達した。そしていよいよそれが正しいかが今日解るはずだ。朝の空には満月を過ぎた月がくっきり見えていた。今日も天気は良さそうだ。

9時過ぎにパディフィールドに行き受付を済ませると、前回頼んでおいたヘルメット、ブーツ、チャップス、キュロットが届いていた。更衣室で着替える。鏡を見て我ながらそのかっこよさに興奮した!カウボーイに憧れてはいたけれど、とりあえず最初にそろえたのはブリティッシュスタイルだ。うむ、なかなか悪くないねぇ。どうだ(馬子にも衣装…?うるさいッ!)。

始める前に福田さんに言った。ボクはいずれエンデュランス(耐久レース)やりたいんです。それには基本的な技術をマスターしているという認定が必要とのこと。車で言えば仮免というところらしい。何をするにも肝心なのは基礎。

早速厩舎に行って、インストラクターの高橋さんに今日のレッスンメニューを伺う。高橋さんはいつもこちらの希望を聞いてくれるから、まずは軽速歩を完全にマスターしたいこと、もう一つ気になっていた鐙に掛けた足の角度(前回は足が力んでつま先が下がった)を直したい旨を伝えた。それじゃ今日はまずそのあたりから始めましょうということになった。
今日も初日と同じ馬になった。ママはアルバート、ボクはネリー。朝はまだ馬も寝ぼけてたりするから、だんだん目を覚まさせるように緩やかな常歩から始めよう。さぁ、おいで。馬場の真ん中まで行こうね。あれ、アルバートは立ったままもう寝てる!目がとろ〜んとしてきたと思ったら後ろへズズッとずっこけそうになった。高橋さんが、アルバート!こら、寝るな!と頬をペシペシ!アルバートは何故かこの屋根の下へ来ると眠くなるんだって。

今日は最初に乗るときから踏み台は無しにした。鐙に足が掛かりさえすればあとは何でもない。ネリーはクオーターホースだからわりあい背が低い。楽勝で乗れた。やっぱりこうでなきゃな。ママはちょっと苦戦、アルバートはサラブレッドだから背が高いんだ。鐙に足が掛かるのがやっとでとても体が持ち上がるどころじゃない。やっぱり踏み台が必要だった。

常歩はいたってらくちん。馬の目を覚ましながらこちらも体をほぐす。前回の写真を見て姿勢が悪いなと思った。腰も背中も丸い。それじゃだめだ。背筋と腰を伸ばしたら自然に鐙に掛かる足もいい具合になったみたい。

少しほぐれたところで軽速歩。おっ!いいぞ、イメージどおりだ。タイミングは前回よりずっとうまく合うようになった。実は始まる前に別の初心者の方が指導を受けているのを見ていたら、ドンドンドンドンの2拍子にインストラクターがタツ・タツ・というふうにタツの間を四分休符にしていた。これだ!と思った。やってみるとまさしくその通りだった。

朝、準備体操として膝の屈伸、アキレス腱伸ばし、腰、首の運動、そしてラジオ体操をやったおかげで体も軽いし膝も痛くならないようだ。今日はいけそうだぞ…。

手が後ろへ下がらないように!立つときお腹を出さず(出してるんじゃない、出てるんだ…)頭を上に引っ張り上げるように!立つ方向は斜め前!手綱が少し長すぎる!など高橋さんの注意が飛ぶ。まだいろいろ考えながらだけど、この前よりずいぶんイメージがはっきりした。
アルバートは仕事中もときどき居眠りしそうになる。もっと蹴りを入れて!鞭!遠慮しないで!と高橋さんが叫ぶ。

部班でいつもネリ−が先だからママとアルバートの様子が見えない。ちゃんと付いてきてるかな?ときどき高橋さんの、アルバートはもっとさっさと行きましょう!という声が掛かるけど、だいたいは付いてきているらしいな。ネリーはもうやる気満々、こちらの合図に対する反応もいい。

我々の様子を見ながら、高橋さんはだいぶ調子が出てきたとみてくれたのか、今日はこれから駈歩(かけあし)の揺れを体験してみましょうと言った。駈歩!?これこそ乗馬の醍醐味!やったぁ!長いロープを付けて駈歩をする。合図はキスの音と外側の足でお腹を押す。ネリーは直ぐ反応した。体の力を抜いて揺れに任せる。手は前は鞍のホーン(ウェスタン鞍の前にある出っ張り)、後ろは鞍の後ろを捕まえているから大丈夫。でもだんだんに手を離せるようにと言われるとなかなか…。まずは後ろを離してみる。前も軽くさわる程度にまではできた。反対に前を離して後ろだけにしてみた。完全に離すには至らず。

ママが交替してやったら、あっという間に両手離し!上体は完全に脱力。あれぇ、なんか簡単にやられちゃったぞ。アルバートの上でママも居眠りしてるみたいな感じだけど、とりあえず両手離してもバランス取ってるなぁ。

もう一度挑戦。今度は直ぐに両手離せた!ネリーの元気な駈歩の揺れにも付いていけそうな気がした!パカラッ、パカラッ…今度は3拍子だ。おぉ、スッペの軽騎兵序曲のリズムだな!

午前中の一鞍は予想を越えて駈歩まで体験できて断然気をよくした。午後は理解したことに体が慣れるように練習したい。お昼を挟んでまたお願いします。
お気に入りのパン屋でパンを買ってきて、馬場を見ながら昼食にした。高橋さんや他に上手な人が乗っているのを見ながら、うーむ、なるほど…などと常に研究心旺盛である。こちらがいろいろ解ってきて、うまく行かないことに苦労したりし始めると、人の乗る姿を見ていても見え方が違ってくる。足の使い方、姿勢など、技術は見て盗むものだな。

1時から午後のレッスン。ネリーはますますやる気充分、アルバートは…?元気に厩舎から牽かれては来たけど、屋根の下に入って鞍を置くために繋がれるととたんに目がとろ〜ん。高橋さんが軽くブラシを当てながら、こうして刺激して目を覚まさせるんです、と言うけど、アルバートは気持ちよくてますます眠そう…。鞍を置いて高橋さんが離れてしまうと…あぁ、アルバート、寝ちゃだめ!倒れる!危うくひっくり返りそうになった。まるで漫画だね。

午前の最後に体験した駈歩をさせてもらえるかな。常歩で調子を整えたら直ぐ軽速歩。次に正反撞(せいはんどう、軽速歩にしないで座ったままドンドンの反撞にあわせる。正はこの字でいいのかな?)、そして駈歩。長い蹄跡を駈歩で行く気分良さ!3種の歩調に正反撞を加えて4種の乗り方を順次練習する。

ずいぶん今日は新しいことに進んだぞ。あっという間に午後の一鞍が終わった。今日はせっかくだからもう一鞍やって確実にしておきたい。そろそろ膝や腰がくたびれてきたけど、ここでやめるわけにはいかない。1時間の休憩の後、もう一鞍をお願いした。
3時から今日3鞍目のレッスン。高橋さんが馬場に赤い三角コーンを4本立てた。その周りを輪乗り(直径20m位の円を描く)で常歩、軽速歩、速歩の正反撞、駈歩の練習をすると言う。おぉ、これはかなり本格的になってきたぞ。

4本のコーンを繋いで四角くならないように緩やかなカーヴを描いて行く。始めは8角形を描くくらいのつもりでやればだんだんネリーが上手に輪を描いてくれる。常歩から軽速歩へ、多少コースを外れてもまずはタイミングが大切。まずはリズムありき!の声が飛ぶ。次に正反撞。少し後ろへ重心を傾けるようにして揺れに身を任す。力むと反撞に付いていけず弾んでしまう。ドンドンにあわせて足も使う。リズムよく…。次は駈歩。キスの合図と外側の足の圧迫でネリーは直ぐ駈歩に入る。合図はうまく伝わるけれど、走り出したときに手が後ろに引けてしまう。意識して前へ出すように。駈歩の揺れにあわせて足も使う。跳ね上げられたときは足が伸び、落ちたときはリラックス。おぉ、速い速い!直ぐにアルバートに追いついた。アルバートはママを乗せてるから落っことさないようにやさしく走ってくれてるのかな。おてんばネリーは二周りくらいで追いついちゃうから直ぐ常歩に戻す。アルバート、もっと走って!高橋さんのかけ声にもアルバートはのんびり…。

輪乗りだとスピードを抑えて確実に型を修得できる。何周したかな、今日は大いに充実した。ネリーとアルバート、今日はありがとう!

高橋さんと次回の約束して今日は終了した。だいぶあちこち筋肉痛がありそうだけど、気分いい疲労感。車に乗ると、あれ!お尻が痛いなぁ。すり切れたかな?さっきまで感じなかったのに…。まぁいいや。来週までには治るさ。チェロ弾くのに辛いかも知れないけど。次回は来週、次なる目標は?
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