乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2006年11月23、24日 真っ白な富士山を見ながら

11月末の富士はもっと寒いかと思ったが意外とそうでもなかった。もっともついこの前の日曜日(19日)は寒かった。一穂が寮から外出ができる日曜日、たまたま空いていたので(いや、実はレッスンがあったのを無理に変更してもらったんだけど)一穂を乗馬に誘ったんだ。朝8時の外出許可時間(実際は7時半過ぎだったけど出してもらえた)にパウロに迎えに行き、陣馬街道を藤野へ抜けて上野原から中央道に乗った。9時過ぎにパディに着き、みんなに一穂を紹介した。仲良しのGFも一緒に。

1年の時に10鞍、軽速歩あたりまで学校の体育で習っている。最近では10月のニュージーランド修学旅行の時に乗馬をしてきた。今回一緒に来られたのはよかったな。これからちょくちょく誘い出して一緒に乗馬を楽しみたい。

高橋さんにふたりの様子を見て良さそうだったら何とか駈歩をさせてやってほしいとお願いした。早速準備してそれぞれの馬を牽いて馬場に入った。一穂はチャーリー、彼女はいつもはママが乗るアルバート、僕は久しぶりにネリーに乗る。

ネリーを先頭に、チャーリー、アルバートが部班で常歩、蹄跡を回る。ふたりともしっかり付いてくるな。少し慣れたところで軽速歩。一穂は初め少しタイミングが掴めない様子。高橋さんが号令を掛けて調子を付けると直に感覚を思い出してきたようだ。うまいうまい、ふたりとも軽速歩は大丈夫。斜めに手前を変えて向きが変わる。いいリズムでふたりが続く。

それでは大丈夫そうだから駈歩も体験してみましょう、と高橋さんが言った。
調馬索(馬の調教などの時に付ける長いロープ)を付けて輪乗りでまずは揺れを体験する。一人がやっている間我々は蹄跡を回りながら見ている。少し緊張気味な表情ではあるけれど、一穂も彼女もちゃんとバランス取って乗ってる。直に慣れそうだな。

ふたりが大丈夫そうと見て、わずか一鞍目にして“駈歩!”の声がかかった。気分いい駈歩の音が三頭分響く。初の駈歩体験はふたりに乗馬の楽しさをしっかり感じさせたに違いない。

天気がよければ外乗も考えていたけれど、時折小雨の混じる寒い曇り空、外へ行くより馬場で練習した方が良さそうだ。せっかく初体験した駈歩もこの際だからしっかり覚えておこう。午前にもう一鞍、軽くパディのホットドッグの昼食を食べてもう一鞍乗った。

楽しかったねぇ!駈歩は気分いいや!また乗りに来ようねぇ!

今度は冬休みだな。みんなでまた乗ろう。いつかきっとみんなで長い外乗も楽しめるな。

西湖畔のマ・メゾンでパスタを食べてゆっくりパウロへ送っていった。楽しい一日だった。しかし寒かったな。この日の最高気温は4度だった…。
というわけで、実はこのあと僕は少し風邪気味…。定期の練習が始まってチョン・ミョンフンさんのバルトーク、管弦楽のためのコンチェルトで二日間絞られたが、何とか耐えた。練習の空いた二日間はママとパディへ。22日の夜中に山荘に着き、すぐに布団にもぐり込む。

翌朝は曇っているけどあまり寒くはない。お、富士山が真っ白だ。この前は見えなかったし、その前はうっすら雪化粧だった。冬だなぁ。

休日だから混んでるかな?パディに着くと、さすがにいつもよりは車も多く停まっているし、馬場ではすでにグループレッスンが始まっている。なに、こっちはゆっくりでいいんだ。受付でオーナーの奥さんのちひろさんとおしゃべり。

馬場で高橋さんが見ていたグループは彼がそのまま引き連れて外乗に出かける。我々は初めてオーナーの庭田さんの指導を受ける。僕はリボン、ママは今までずっとアルバートだったけれど初めてネリーに乗る。

背の低いネリーだからママも初めて踏み台を使わずに乗れた。とても素直で反応のいいネリーはすっかりママのお気に入りになった。ママはネリーで軽速歩、駈歩が楽に、そして苦手だった正反撞は初めてできたと喜んでいる。リボンも僕には乗りやすくて好きな馬だ。気分良く軽快に乗れる。朝一はこう行きたいね。
庭田さんは言葉はさほど多くないけれど、的確な注意を与えてくれる。今までいつも部班でやってきたけれど、今日は各個に馬を操る。馬には前の馬に付いていこうとする性質があるから、他を気にさせないように注意をこちらへ向けて的確な扶助を出さなければいけない。庭田さんから次の指示があると我々はすぐに扶助を出そうとしてリズムやペースを崩してしまう。まず馬のペースを整える、自分がリズムをしっかり掴む、それから次の扶助を出して馬とともにリズムに乗って動作を変化させる。馬は自分の頭で考えているし、自分の歩調を持っている。それを無視して機械的に合図を出しても馬が従いづらいのは当然だ。それに気づいていなかった。

いつも自分と馬のリズムを大切にして、何かをするときは自分でタイミングを見て扶助を出す。これは大事なポイントだった。各個の練習をしてみて初めてそのことに気づかされた。

2鞍目は高橋さんが外乗から帰ってきたのでお願いした。僕はバーニー、ママはブルボンに乗る。引き続き各個での練習。ママは今までほとんどがアルバートだったから違う馬の揺れや反応に少しとまどい気味。ネリーは乗りやすかったけれどブルボンには苦労している。僕のバーニーは小振りなアパルーサ。大きなリボンに比べてなんだか小刻みで堅い揺れがお尻に応える感じ。ふたりとも少し力みつつ、それでもなんとか操って蹄跡から巻き乗り、半巻き乗りなどコントロールした。蹄跡で軽速歩、巻き乗りは正反撞の切り替えもまあまあかな。
昼休みに買い物をして、のんびりと他の人たちの乗る様子を見ながら買ってきたパンを食べる。普段時間に追われる生活をしているから、ゆったりと時間を気にせずに済むここでの休日は何より気分が休まる。

3鞍目はまたリボンとネリーに乗って気分良くこの日の乗馬を終えた。天気は段々下り坂かな。

山荘に戻って野菜たっぷりの鍋を作った。風邪には温かい鍋が一番だ。いつの間にか外ではかなりの雨音がしている。明日はだめかな…。
翌朝、目が覚めると雨音はしていなかった。飛び起きてカーテンを開けるとすばらしい青空が見えた!レミとヴィヴォを連れて出ると目の前にどーんと大きな富士山があった。食事をして急いでパディへ向かう。途中の見晴台から真っ青な本栖湖と冬枯れの樹海、その向こうにくっきりと南アルプスの北岳、間の岳、農鳥岳と甲斐駒が見える。3000mを越えるアルプスの山々はすでに厳しい冬の表情を遠目にも見せていた。
パディの馬場は夕べの雨でひどくぬかっている。その中ですでに何頭かの馬たちが“仕事”を始めていた。馬繋場からなにやら槌打つ音が聞こえている。行ってみると、馬の蹄鉄を替える職人さんが手際よく作業しているところだった。初めて見る作業にしばし見とれてしまった。
1鞍目はママがチャーリー、僕はジュリアン。今回はふたりとも次々に新しい馬たちに挑戦させられている。初めはお互い様子を見る感じだけど、段々に初めての馬にもすぐ慣れるようになるのかな。それと同時に自分にとって乗りやすいタイプというのも何となく見えてくる感じ。僕は今のところリボンが一番相性がいいみたい。大きくてどっしりしたアングロアラブのリボンは揺れも大きいけれどおおらかでいいな。
あんまり天気がいいからこれはどうしても外乗に出なきゃ。というわけで午後はまず2時間の外乗で三湖台まで行くことにした。ママはエドワード、僕はミラージュ。初めてパディに来て乗った日、ウェルカムプランでいきなり行ったのがこのコース。農道から国道を渡り、木曽馬牧場の横を通って山道を上がる。左が見晴台への道、右が三湖台への登山道となり、細い急坂を登る。初めての時はネリーに乗って恐る恐る登った。2ヶ月足らずの間にずいぶん乗馬に慣れたと思う。同じコースがいとも楽に感じられた。

山道を登るのに初めての時は何でも自分で“運転”しなきゃという気がして、ネリーの手綱を必死でコントロールしようとしていた。ときどきネリーは脚を滑らせて危なかったからなおさら必死に“ハンドル操作”をした。このときはまだ馬を自転車かバイクと同じに思っていたんだな。生き物なんだとわかっていながらその違いをよく理解していなかった。馬は優れた頭脳を持っていて、ちゃんと自分で考えて行動している。山道だって自分で安全な足場を見つけて登っていくんだ。余計な操作はいらない。それがわかっただけでも馬に関して理解が増したと思う。今回はミラージュに任せてただ乗っていたら楽々登って行けた。

途中の道からも富士山が見え隠れする。陽が透ける赤や黄色の木の葉が実にきれいだ。三湖台からの眺めはすばらしかった。まずは富士山が目の前にくっきりと見える。眼下の樹海は冬の色、本栖湖が青々と見えている。遠くには南アルプスの山並みが真っ白に見える。一番奥まで進んでみるとこちらの眼下には西湖が美しい湖面を見せていた。

前に僕の言うことを全然聞いてくれなかったエドワードはママにはいい子だった。おい、ちょっとひどくないか?
ガイドをしてくれたNAKADAIさんも初めてというくらいのすばらしい外乗だった。

帰り道、正面に富士山の見えるところでもう1枚記念撮影。どうもいつもママと一緒の写真はママが前、僕が少し後ろに下がっていて、写真を見た人が『まあすてき!貴婦人の乗馬みたい!お供を連れて!!』なんたることぞ!この写真では心して少しばかり手前に位置した。

パディに戻って仕上げの1鞍はママがリボン、僕がジュリアンに乗った。初めママはもう今日は終わりにしようかなと消極的、僕はまだまだやる気満々だった。馬場は仕切を取り払って広々している。もうこの時間になるとお客も少ない。いつも来ている会員さんとかなり上手な女性のふたりだけだ。最後に気持ちよく駈歩をして締めようじゃないか。それに注文しておいた拍車が来ていたから付けて試してみたいんだ。おぉ、拍車が付くといつものブーツが見違えるようにかっこいいじゃないか!

ジュリアンは朝乗ってもう知っている。パディの最年長ばあちゃんだけどなかなか勢いがある。速歩も駈歩もスピードが速いぞ。ちょっと押さえた方がいいかな…反撞が結構大きいな…などと思っていたところで大きくお尻が鞍から跳ねた…次の瞬間お尻は鞍の後ろの堅いところにGonn!いてっ!これは効いた…。いい加減すりむけかけていたお尻に決定的なダメージをくらった…。常歩にしてとぼとぼと蹄跡を回る。拍車の付いた自慢のブーツが間違ってもジュリアンの腹を刺激しないようにしないと…。ここで駈歩されたら堪ったもんじゃない。ママは?リボンに乗って実にご機嫌よく駈歩している。駈歩のまま巻き乗りまでしているじゃないか!軽速歩も実に軽快。僕の大好きなリボンはママにも相性がいいみたい…。ちょっと嫉妬に似た感情に捕らわれつつ、颯爽と駈けるママとリボンの姿を横目で恨めしげに見ながら、痛むお尻が跳ねないように常歩のまま長すぎるクールダウンをやっていた。
いつもは朝山荘を片づけて出てきてそのまま帰るのだが、今回は遅くまで乗ってしかももう一度山荘に戻り、昨日の残りの野菜たっぷり鍋を温めて食べ、冷えた体を充分に暖めてから掃除をして帰ってきた。このパターンも悪くないな。いつもなんだか少しせわしい感じがしていたけど、今回はなんだかたっぷり山荘でも過ごした気がする。

最後の一撃は効いたけど、今回も楽しい乗馬だった。次は12月7日にまた来ることにした。どんどん寒くなるな。寒冷地用のしっかり防寒の股引やシャツを着込んで乗り切ろう。

(ママは今回で通算18鞍、僕は一穂たちを連れて3鞍抜け駆け(!)したので通算21鞍、外乗は1回増えて3回目、乗った馬は僕がネリー、ブルボン、エドワード、カーペット、リボン、バーニー、ジュリアン、ミラージュの8頭、ママがアルバート、カーペット、ネリー、ブルボン、チャーリー、エドワード、リボンの7頭)
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