乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年2月1日〜2日 新たな一歩

フィルハーモニーカンマーアンサンブルのオペラシティ第3回目の定期演奏会が前夜1月31日にあり、その日に向けての準備で正月休みの後ずっと張り詰めた日々だった。いや、実はもうひとつ、1月21日に市川芳澤ガーデンギャラリーでの無伴奏プロのコンサートがあったんだ。バッハの組曲1番とコダイ、僕にとって、いやたぶんたいていのチェロ弾きにとっても楽なプログラムじゃない。むしろ1月の前半はこのコンサートで頭がいっぱいだった。それが無事終わってからようやくオペラシティに集中できたというところかな。なんにせよこれを終えたらパディだと思っていた。だから昨夜のコンサートを終えてみんなと散々打ち上げで騒いで(アルコールは一滴も飲まなかったさ!)うちへ帰ったのが11時過ぎ、それからチェロや荷物を降ろし、代わりに富士へ持っていく荷物を積み込み、留守番していたレミくんとコンサートのリハーサルから打ち上げまで10時間くらいも車の中で待っていたヴィヴォを大急ぎで散歩させ、12時を回ってから出てきた。
さっきまでハイになっていたから疲れも感じなかったけど、さすがに運転を始めたら腰や背中や首、腕や手首まであちこちがだるかったり痛かったり。おまけに当然ながら眠くなってきた。ママと話をしながら頑張るんだがだんだんママの返事が途切れがちになる。無理もないよなぁ。自分でも無茶だと思ってる。でもどうしても一刻も早く富士に来たかったんだ。河口湖ICを出て山荘までの道、ここでなんかあったら元も子もない。ひたすら安全運転。道の凍結も怖いしな。3時前、無事着いた。
外はマイナス5度、家の中も1度でさすがに冷えてるねぇ。急いでストーブを点けて部屋を暖めながら荷物を降ろす。水抜きがしてあるから元に戻す。湯沸かし器の水抜き栓を閉めようとしたら暗闇でひとつ落っことしちゃった!探したけど見つからない。草もあるけど、どうもそこらは野鼠の穴が開いていてそこに落ちたかな?湯沸かしが使えないのが困るけど、ガスコンロでやかん一杯お湯を沸かして手を洗い、とにかく今夜は寝ようと思って布団を出す。うわー!強烈に冷たい。まるで寒中水泳だねとか言いながら布団の中で丸くなる。しばらくしたらかすかに暖かくなってきていつの間にか眠ったみたい。でも明け方寒くて目が覚めた。布団の中でがたがた震えてた。時々あるんだが、悪寒のような感じ。やっぱり疲れてるんだなと思いながら小さく丸まっていたらまた眠った。
朝、ヴィヴォの声で目が覚めた。いつものことだ。さぁ、起きよう!7時ちょうどだ。外は?お!いい天気!朝焼けがまだ残っている。そういえば夕べは星がきれいだった。月も煌々と照っていたっけ。部屋の温度は5度。ひとつだけストーブは点けておいたんだけどな。まずコーヒーを淹れてウォーマーに乗せて、マグカップとお皿、バターやマーマレード、我が家のお気に入りの胡麻ハネーとクリームチーズ。さぁ、用意ができたところでさっきから待ちかねて騒いでいるレミとヴィヴォを連れて散歩だ。
雪の残るいつもの散歩コースを行く。富士山がきれい。今年は暖かい冬だけど、富士山は冬の厳しい表情を見せている。確かに雪はだいぶ少ないかな。岩肌と雪の白がまだらなところが却って寒そうに見える。光がオレンジ色で、木や草に射して冬枯れの独特の明るさがいいな。この季節、別荘地は閑散としている。レミとヴィヴォを放してやっても大丈夫だな。やっぱり彼らが自由に駆け回る姿は見ていて楽しい。一回りして帰ってきた。朝ごはんを食べていたら管理事務所の人が湯沸しの水抜き栓のスペアを付けに来ててくれた。よかったぁ、湯沸しが使えるようになった。ちょっと遅くなっちゃったけど、急いでパディに向かう。
約一月ぶりになった。1月中にもう一度来るつもりだったけど、コンサートの準備でさすがに余裕がなかった。寒さが厳しくなったこの季節、馬場は凍っている。陽の当たる道路側が先に解けてくるからそちら半分を使って始めることにする。今日は僕がリボン、ママが久しぶりにアルバートに乗る。いつも指導を受ける高橋さんは1ヵ月半のアメリカ武者修行に出てお留守。代わって今日は千尋さんに指導を受ける。冷たい空気を切り裂くように千尋さんの元気な声がよく通る。

馬を温めつつ自分も温まるように常歩から軽速歩蹄跡を回る。凍ったところを避けるため一辺は柵がないところを直線に進める。目標になる木を見定めてまっすぐに馬が進むようにコントロールする。

適度に温まるまで時々巻乗り半巻きを入れる。順次各個にを区別する。各個に半巻きのとき、はじめるタイミングを『各個に半巻』のに合わせる。今までは動作ができるかどうかだけだったが、今日は正確なタイミングが要求される。

何かの合図を出そうと思ったとき、いきなりそれっ!とばかり強く出すと馬がびっくりして飛び上がったり怒って跳ねたりする。タイミングを意識するとどうもそうなりがちだ。前もって軽くなり舌鼓で馬にこちらを意識させることが大切。

確かにそうだ。相手は生きてる馬なんだといつも思い出さなければいけない。わかっているつもりでも実際にはスイッチひとつで切り替わる機械のように扱ってしまうんだな。
隅角を曲がるとき、あるいは巻乗りや半巻きのときに内側に傾く癖がある。自転車に乗っているならごく自然なこの姿勢を乗馬ではやらない。下を見たり内側の肩を下げず上体をまっすぐにして、目だけが目的の方向を見てむしろ体は少し外を向けるようにしながら馬に付いて行く感じ。ちょっとまだ抵抗があるな。

巻乗りなどで小さくサークルを描くとき、常歩にせよ速歩にせよ、同じ歩調のままできなければいけない。たいていペースが落ちてしまう。軽く扶助を出しながらペースを維持する。サークルの形をきれいに描くために四角や八角から円にするイメージや、空に円を描くつもりなど、なかなか難しい。

手前を合わせるということは、高橋さんにまだ考えなくていいと言われながらも密かにこだわっていた。だから高橋さんからやっと教わったときにはもう大体動作としてはできるようになっていた。それでよしと思っていた。でもどちらの手前になっているかは見て確かめていたから、そのためにしょっちゅう下を見ることになる。千尋さんは、お尻で手前を感じるようにと言う。見ちゃだめ!感じる乗馬!賢さんの、つまりパディの合言葉だ。しばらく目をつぶったり空を見たりしてお尻で感じるようにしてみたら、案外すぐにわかるようになった。正反撞で手前を読み、手前を合わせて軽速歩に切り替える。繰り返し練習してほぼ間違えることなくできるようになった。

正確な動作とタイミング、その練習のために馬場の対角線上に3本のコーンを一定間隔に立てて、蹄跡から常歩で対角線に入り1本目のコーンで速歩、2本目で巻乗り、元の対角線上に戻って3本目で常歩で蹄跡へ、という練習をする。タイミングが遅いとすぐ次の動作のタイミングになってしまうから、前もっての準備がとても大切。うーむ、これはかなり本格的な訓練だな。やる気が刺激される。
ところで、上の写真のいでたち、かなり本格的なウェスタンスタイルではないか。なんと言っても見てほしいのはブーツについた拍車だ。今日がお初なんだ。やっぱりこれがなきゃだめだよね。というわけで、今日からウェスタンの拍車も使い方を練習するんだ。いままでのブリティッシュのよりだいぶ強力に効きそうだ。

はじめは慎重にと思ったけれど、やっぱり拍車が当たりすぎてリボンが跳ねた。すまん、すまん!こいつは相当気を付けないといかんな。

今日はその後も昼休みを挟んでタイミングを意識した動作の練習をした。凍っていた馬場が解けてきたので広く使って、巻乗りや半巻きもまぜる。速歩では正反撞で手前を読み軽速歩へ切り替える。隅角や巻乗りのときに傾かない。ペースが変わらないように。拍車の加減を気にする、etc.いろいろやることが多くてたいへんだね。いつも以上に肩が凝った。これらの注意が楽にできるようにならなきゃな。

今日のポイントは結局のところ自分の意思をはっきり持つこと。何をいつ、しようとしているのかをはっきりイメージすることだ。進む方向描こうとする図形も今までのようになんとなくじゃだめだ。目標物を定めてまっすぐに、あるいはどのポイントから半径何mのサークルを描くというように具体的なイメージが必要なんだ。意思がはっきりしてこそそれがうまく実現できたかどうかが次の問題になる。
翌日もいい天気だが、かなり冷え込んで馬場が凍っていた。少し解けないとだめだな。日当たりのいい側を区切ってルパンスノーカズちゃん(ファーストボーイ)がのびのびと遊んでいる。

今日は昨日のことを踏まえて練習を継続しよう。ただし目標を一つ持ってきた。前にぜんぜんうまく乗れなかったエドワードに再挑戦だ。高橋さんのいない留守を預かるカオリンさんにお願いして今日はエドワードに乗ることにした。ちょっと緊張。ママは昨日に引き続きアルバート。

一鞍目、乗る前にカオリンさんに馬装を教わる。これはなかなか覚えるのが大変。というのは馬によってき甲の出っ張り具合が違うから鞍の下に敷くゼッケンの枚数や形が違うし、鞍の位置も違う。足にプロテクター肢巻(しまき)を着ける馬や着けない馬がいる。水勒もいろいろな形があってややっこしい。まあ少しずつ覚えるしかないな。

エドワードは今日は割合素直に乗せてくれた。常歩、速歩はほぼこちらの意思に従ってくれた。二鞍目、千尋さんの指導。今回はまだ駈歩をやっていない。ほぼ一月開いたからどうかな。エドワードにもだいぶ慣れてそろそろいけそうかなというところで駈歩の合図を出した。あれ!?エド、ぜんぜんやる気なし。何が気に入らないんだ?こら!駈歩だってばさ。このときのための拍車だとコツンとやったとたん、うわっ!いきなり後肢を蹴るように跳ねた。やりすぎでした。ゴメンナサイ!何度かやってみるがエドは拍車が気に入らない。とうとう千尋さんが拍車をはずしてやって見ましょう、と言った。クソ、せっかく自慢の拍車なのに、と思ったけど仕方ない。しばらく拍車なしでトライ。一応駈歩になったけれど継続しない。脚の使い方がうまくない。パカラッ、パカラッ、に合わせて後から前へふくらはぎのあたりで腹をこする感じらしい。バランスを取ろうと腕を振る動作も注意された。脇が開いてもだめ。少し乗れるようになってくるとどうも自分なりに工夫して、それが間違った癖になってしまうことが多いんだな。ここは辛くても注意されたことは守るようにしよう。
いろんな難しいことを考えながらやるから、体があちこち凝っちゃった。寒くなってきたし、今日は二鞍でやめておこう。次回はわりにすぐだからきっと今回よりはいいかな。エドワードは初めてのときに比べてずいぶんうまく乗れたけれど、まだまだだな。独特の力強さがあって、乗りこなせたらきっと楽しい馬だと思うんだ。また次回もエドにしようかな。
今回は二日で5鞍、通算僕が33鞍、ママが30鞍になった。今度は一穂も一緒だし楽しみだな。
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