乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年4月2日 馬上の画伯

今朝早く一穂と家を出て、中央高速を快適に飛ばしてパディをめざした。今日はオケのスタッフカフェ店長なべちゃんとヴァイオリン首席の路ちゃん夫婦を誘ってあった。彼らは初めての乗馬だ。途中鳴沢村でなじみのガソリンスタンドに寄った間に彼らに抜かれたらしいや、パディに着いたら彼らも今ちょうど車を停めたところだった。受付に顔を出し、僕と一穂、初めての仲間ふたりです、よろしくお願いしまぁす・・・

高橋さんにふたりを紹介する。『全く初めてですか?ではまず中でビデオを見てください』そうそう、僕たちも最初はビデオ見たよなぁ。レッスンのモデルは高橋さんだった。しゃべってるのは萩原さんかな?

僕は高橋さんに今日もレッスンをお願いする。今上り坂なんだ。馬は?BJ、おぉ!よしよし・・・
一穂にはカオリンさんが付く。前回と同じリボン。一穂も前回かなりいい感じになってたから、今回また前進するだろう。

ビデオを見終わった彼らはNAKADAIさんが見てくれる。なべちゃんは僕のヘルメットを被りサングラスを掛けるとなかなか近寄りがたいお兄さんふうになった。路ちゃんはピンクのヘルメットを借りて、さぁ、いよいよですよ。ナベちゃんはブルボン、路ちゃんはカーペットだ。
馬の準備ができて、まず彼らが馬場にはいる。それぞれの馬に乗って蹄跡を回り始める。路ちゃん、ちょっと緊張気味かな?NAKADAIさんの初心者向けとびきりの優しい声がかかる。

最初は部班でナベちゃんが先頭、路ちゃんが付き従う。

『おぅ、ちゃんと付いて来ておるか?』
『はい・・・いつもあなた様のお側に』美しい夫婦愛を漂わせる・・・部班はいい。古来より日本の夫婦はこうでなくてはいけない。間違っても貴婦人とお供などと言わせては・・・
おがくずをいっぱい付けてたBJにブラシを掛け、鉄爪で蹄の砂を落とす。かがんで鉄爪のとがった方で隙間に入った砂、おがくず、ボロの混じったのを掻き出す。飛び散るそれらが顔に撥ねても気にしない。鞍を乗せて水勒を付ける。BJは素直に着けさせてくれるから苦労がない。こちらもだいぶこつが掴めてきたし。馬場に牽いて出て・・・

腹帯をぎゅっと締める。
「!!!ングゥ・・・」
さぁ、乗るぞ。「イイヨ」
              『さぁて、今日はどこらへんを絞ろうかな・・・』
鐙は、と・・・どこだ?
「オシゴト・・・」
『鐙の長さはいいですか?』
OKです。
                       「ンジャ、イクヨ」
BJは3回目。すっかり親しくなった。反撞が少なく乗りやすい。ちょっと臆病で周りを気にする性格も解ってきた。こちらの言うことをよく聞いてくれる素直な子だ。あ、そうそう、駈歩の右手前があんまり得意じゃないんだっけ。今日は僕としてはその駈歩の手前をBJの苦手の右手前もうまく出せるようにできたらいいかな。

手前の揺れももう少しはっきり感じたい。正しい手前と反対の手前の揺れの違いは前回はまだあまりよくは解らなかった。

ウエスタンの手綱にもだいぶ慣れたけどまだ扱いに苦労してる。庭田さんが手綱を持つ手が実に楽そうに見えたっけな。人差し指と親指で持って、あとは楽にしておく、と高橋さんが言うように今日は始めからやってみよう。

常歩で輪乗り。その間にBJの様子を見る。今日のBJはとても素直で、始めからよくコースも取れるし歩調もいいな。軽速歩。僕もBJの揺れにはずいぶん慣れて、軽速歩も楽にできる。半巻き乗りで方向を変える。どちら回りも同じにバランスよく乗れているな。お尻がよく鞍に付いてる感じ。

輪もきれいに描けてきたところでしばらく止まって落ち着かせる。また常歩でトロトロと歩き始める。以前と違うのは、常歩はあまりペースをあげたりして緊張させないこと。常歩は“休んでよし”であり、また前の動作に対して“これでよし”の意味を持つ。だからうまく行ってるときには間にタイミングよく常歩を入れ、首をぽんぽんとたたいて声を掛ける。
前回気を付けた手の位置。行きたい方向をわずかな手綱の操作で伝える。手綱を引かずにわずかに行きたい方向側の手を前に、その方向にできる平行線の間を馬が進むように。この写真の手はいい感じだな。右の手綱はかすかに首筋に触れて壁を作る。BJはとても素直に言うことを聞いているから強い圧力は必要ない。

BJの耳が少し後ろを向いている。僕に注意を向けている。何か他に気になることがあるとその方向を探すように耳が動く。耳の動きは馬の精神状態を計るバロメーターだ。今日のBJはとても安定している。
駈歩。これは左回り左手前。BJの得意な方向。外方脚を付けてキスの合図で発進する。
拍車もかなり自由に使えるようになってきた。拍車が馬体に当たる感触が解ってくると加減もできるようになる。初めは当たったかどうかさえ解らなかった。

駈歩から“うぉー”の合図で急ブレーキ。手綱は全く引いていない。BJの得意技。
高橋師匠の厳しい目がじっと僕とBJの動きを見つめている。ごまかしは利かない・・・

しかし、おかげでこのごろ自分の姿や形が見えてきたように思う。そして自分の動作を自己分析して直していけるようになってきた。それだけに動作の一つ一つの意味や馬がそれにどう応えるかということが興味の対象になってきた。

駈歩を出すときの外方脚、それがどういうことなのか?BJにしっかり右手前をさせられなかったとき、高橋さんがそのことに触れた。外方脚を付けることの意味とは・・・

その前に、馬は触れられたものから離れようとするという習性があり、手綱も脚もそれを利用するという。手綱や脚で壁を作るというのはそのことか!解ってきたぞ・・・

蹄跡を常歩で歩かせながら手綱はまっすぐのまま外方脚の拍車でぐっと押す。馬は直進しながら後肢は蹄跡から内側にはいる。これを腰内(こしうち)という。これが駈歩で手前を出す準備の段階。つまり腰が内側に入るから次に駈歩の合図を出すと内側の手が前の手前になる。
わかったぞぉ!
といって、そうすぐできるというものでもないが、理屈は解ったしイメージもできた。あとは正確に動作をすることだ。やってみてうまくいくときといかないときの違いは、どうやら馬体がまっすぐになっているか否かのようだ。つい輪乗りだとどの一瞬にしても円周上だから体も弧を描いているイメージになりやすい。馬も自分もまっすぐになるような瞬間を作って、そこですかさず外方脚(腰内)、キスで駈歩発進という流れがうまくいくと手前は合いやすいようだ。

手前が合ってるときとそうでないときの揺れの違いが今度は少し解ったように思う。合ってるときは外へ外へと振られる感じ。自転車のように内側に傾きたくなるのはだいたい逆手前かな。

外方脚の意味が解ったらなんだかとても馬の扱いがしやすくなったような気がする。高橋さんが、『せっかくBJに乗っているからスピンをやっておきましょう』と言った。これも外方脚の延長みたいなもんだ。今日は手綱を引きすぎないように気を付けて舌鼓と拍車で強めに煽ったら、思いっきりBJがスピンしてくれた!すごい!目が回ったけど・・・やったぁ!
一穂はカオリンさんの個人教授を受けてなかなかと厳しく絞られていたようだ。体に力が入って、それを抜くのに苦労していたのかな。自分流に解決していたことがだんだん厳しく姿勢を指摘されていくうちに解らなくなってしまったという。ちょっとした壁に当たったのかな。

今まで何でもこのあるかないかの小さな壁のせいでその先へ進めなかったということがなかったか?ちょっと思い当たるだろ。だけどこれからの人生にはいくつもうち破らなければならない壁が待ち受けているはずだよ。自分なりの解決法も大切だけど、それが安易な逃避や志を低くするようなやり方ではだめだ。長い間に多くの人の努力が積み重なってできた技術は、苦労してそれを取得する価値を持ってると思うよ。そして今はそれを手に入れられるようにメソッドがあるのさ。

全く才能がなかったら無理かも知れないが、とーちゃんが見る限り一穂は乗馬のセンスはいいと思うな。馬を一つのきっかけにして、これから相対するであろう多くの壁をうち破る自信を持って欲しいんだ。

体から無駄な力を抜くことは意外に難しい。体が固いというのも結局常にどこかに無駄な力みを生む。基本を言えば、立ち方や座り方(馬の上でなくて)にも脱力法があって、とーちゃんは芸大時代に体育でさんざんやったよ。つまり演奏には欠かせない技術なんだよな。一穂は逆に馬に乗ることから姿勢や脱力を学んだらいい。

調馬索をつけて姿勢やバランスをチェックするかおりんさん。→
BJはとてもよかった。午前に2鞍乗って厩舎に休ませた。さっそく草を食べ始めた。続けて2鞍だったからお腹空いたんだね。

僕たちもお腹が空いたからレストランゴールドラッシュに今月オープンのハンバーガーを食べにいく。僕の2鞍目から乗り出した一穂と一緒に行くと、2鞍目を休んでいたなべちゃんたちがコーヒーを飲みながら待っていた。早速ハンバーガーを注文。てりやき、バーベキューソース、チーズ、ベーコンエッグなどバリエーションも豊富。いずれもボリュームたっぷり。肉は自家挽きだからおいしい。レタスもたっぷり。コールスローやポテトも付いて実に満足した。これは流行ると思う。写真撮ればよかったなぁ。食い気が先に立って、気が付いたときはもう大方食べてしまっていた。
午後はもう一鞍、ジュリアンに乗った。久しぶりだったが、ゆっくりで大きな揺れは今の僕にはあまり快適ではないな。僕はBJの乗り心地がすっかり気に入っちゃった。

でもいろんな揺れに対応できなくちゃね。ジュリアンで腰内、キスを試す。彼女はまず手前を間違わない。
お腹の満ちたなべちゃんたちも午後にもう1鞍。あれ、なんだかもう軽速歩(らしきこと)なんかやってるよ。NAKADAIさん、うまいなぁ・・・彼らはきっとやる気になるよ。もともとふたりとも運動神経は悪くなさそうだしね。午前1鞍、午後1鞍は初めてとしてはいいところだね。午後の路ちゃんの馬は、アルバート

満足?
今日なべちゃんたちを連れてきたのには理由がある。もちろん誘ったら彼らがやりたがったからなのだが、実はなべちゃんにカオリンさんのイラストを描いてほしかったのさ。僕のカウボーイスタイルを描いてくれたけど、あれは傑作だ。乗馬日記の最初にあるのを描いたのがまさにこのなべ画伯なんだ。彼の絵はただ似てるのではない。一瞬のドラマが見事に描かれてるんだ。その人の性格や癖を瞬時に掴み記憶する。イメージを膨らませてイラストができあがるんだ。果たしてカオリンさんは彼の筆によっていかに描かれるか・・・

というわけで、今回もまた楽しいパディの一日を過ごした。

僕は通算48鞍、一穂は11鞍。この次はママと19,20日に来ます。山荘を修理中なのでパディのコテージに泊まります。

パディから帰って翌々日(4日)、路ちゃんがなべ画伯のイラストを持ってきてくれた。
えーっ!もう描けたの?作品を一目見て爆笑。早速パディに送った。大きすぎてスキャンができず、仕方なく写真を撮ったけど、鮮明ではないよなぁ。ご覧になりたい方は(いや、ぜひ見てください!)こちら
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PHILHARMONIEKAMMERENSEMBLE
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