乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年5月30、31日 レイニングへの一歩

29日夜、ママが大学の仕事を終えて帰ってきたところで山荘に向かった。前日の天気予報では30日31日は雨のマークだった。せっかく二日続きでたっぷり乗ってやろうと思っているのに二日ともしょぼい予報が出てるなぁ・・・しかも・・・ママが先週以来腰が痛くて乗るのはちょっとまずいかも・・・あ〜ぁ、きっとまた雲の上の賢さんが『あいつら、また無茶しようとしてるな、雨降らせて阻止しなきゃ!』って思ってるに違いない。

ちょっと待ってよ、僕は大丈夫なんだからさ。ママは涙を飲んで今回はあきらめるって。6月2日にカレラスファンクラブのチャリティコンサート本番もあるし、ピアノ練習するからって言ってるんだ。ねぇ、賢さん・・・おねがいします!

ママには悪いけど、僕はどうしても乗りたいんだ。そう念じて寝た。先月山荘の修理をして天井の空気抜きとトイレ、お風呂、そして畳がきれいになった。気持ちのいい眠りだった。

朝5時前に目が覚めた。耳を澄ます。鶯が鳴いている。カッコウの声も聞こえるな。雨の音は・・・?していない・・・!飛び起きてカーテンを開けると青空が見えた!

わーい!大急ぎで着替えてレミとヴィヴォを連れて散歩に出る。木と草の緑がきれい。新緑ではないけど真夏の深緑でもない。全身で飛び込みたくなるような生き生きしたグリーンフィールド!大室山の脇から太陽が顔を出した。
富士山は雲の中から少しずつ見えてきた。だいぶ雪が減って青く見えるところが増えた。
この季節に山荘に来たことはあんまりなかったのかなぁ。見たことない花が咲いてる。これはなんだ?

ほかにもいろいろ目に付くものがある。
下の左は野いちご
上の左はたらの木、右はノバラ
朝食を済ませてパディへ。まず高橋さんの姿が見えた。何しろ前回は師匠が休みだったから僕も馬たちもなんか今ひとつ調子が上がらなかった。最初のネリーはともかく、初めて乗ったファドはうまく乗りこなせなかったし、大好きなBJでさえまるで僕を忘れちゃったみたいに知らん顔だもんなぁ。せっかく千尋さんやカオリンさんが助言してくれたのに思うように行かなかったのは悔しかった。

今日の目標はまずファドになんとか乗れるようになることかな。左手前が出せるようにならなきゃ。とにかく駈歩の手前はマスターしたい。揺れからどっちの手前かもわかるようになろう。

おはようございます!

先週の様子を高橋さんに話すと、『じゃぁ、今日も始めはネリーからにしましょう』そう、やっぱりネリーは大好きな馬のひとつ。パディで最初に乗ったのがネリーだったし、いつも僕には乗りやすいいい娘だ。でもこのごろはそれだけじゃない、クオーターが好きになってきたんだ。やっぱりウェスタンはクオーターホースだよな。瞬発力と小回りのよさが魅力だ。牛の群れの中に切り込んで入ってその1頭を投げ縄で捕らえたら、一気に向きを変えて群れから引き出すんだ。そんな過激な動きに向いてるのがクオーターだよな。その特長を生かした競技がレイニングだ。
いつものように調子を見ながら並歩、速歩、駈歩とペースを上げる。さすがはネリー、駈歩の手前は完璧だ。進路もこちらの行きたい方向をきちんと取ってる。コース取りの練習はいつも長方形、八角形、円というように決め、周りの目標物を頼りにできるだけ正確に描くように気をつけてるんだ。ほかの人があまり足跡をつけていない馬場に図形を描いていくのはなかなか気持ちがいい。
ところで、前回どの馬にせよ満足な乗り方ができなかったが、それは何故だったのか?特にファドは全くこちらの思い通りにはならなかった。BJでさえ・・・

たまたま今回パディに来る前にJWRA(日本ウェスタン乗馬協会)のページを見た。レイニングの動画を見てうまいなぁ・・・と感心していた。中でも土岐田勘次郎会長のは見事だった。会長のMonthly Messageというのがあった。少し読んでみると難しいようでもなんとなくイメージがつかめる文章だった。2007年4月のメッセージに馬のコントロールについてフィジカルとメンタルということが書かれていた。

馬は自分の頭で考えて行動するという点で機械の乗り物とは違う。そして力では我々は絶対に馬にかなわない。このことは前からよくわかっていたにもかかわらず、何度かあらためて思い出さなければならない失敗もあった。サニーフィールドの福田さんが言った『馬の頭に乗る』というのも同じことを意味している。馬を動かすということは、馬の従順性が前提にある。馬がその気になって動いてくれなければどうにもならない。
その従順性を引き出すのが推進力だと土岐田さんのメッセージに書かれていた。馬をコントロールするにはまず馬を出す、すなわち推進する。推進することが馬のメンタルに影響力を持つ。言い換えれば、推進することで馬の従順性を引き出し、結果としてコントロールを可能にする・・・

よくその日の乗り始めに馬がまだ寝ぼけたようにふらふらしていると、高橋さんがもっと馬を進めてしゃきっとさせるようにと指示する。これも単に馬が寝ぼけているとか体が温まっていないとかいうより、馬がまだこちらに対して従順になっていない、自分勝手に行動しているということなんじゃないか。だからどんどん前に出すことで馬のメンタルに働きかけ、従順性を引き出せばコントロールができるようになるということか。

ごく初心者の間は馬を前に出すということには少なからず不安があった。スピードが上がり、反撞が大きくなれば振り落とされそうな不安に駆られてすぐに手綱を引いてしまう。だんだんいろいろな反撞にも慣れ、スピードにも対処できるようになって、コントロールもできてきたと思う。

そこで前回のファドのことを考えると、まず前に出せていなかった。だからゆっくり過ぎてまっすぐ進めない自転車みたいにふらついていたんじゃないか。何でもいいからとにかく前へ進めて、それから方向でも動作でもコントロールすればよかったのか・・・
ネリーに乗りながらこのことを考えていた。おのずとネリーに対しても積極的に前に出す乗り方をしていたようだ。もともとよく走る娘だが、今日の僕は少し違わないかぃ?

かなり充実した気分で一鞍を終えた。師匠は当然のように二鞍目にファドを指名した。慣らし乗りからどんどん前に出し、並歩、速歩から早いペースで駈歩まで行く。始めは苦手の左じゃなく右から行くかなと思ったら、なぜかファドは右回りに左手前になった。高橋さんがすぐに『珍しく左が間違って出ています』と言った。いったん止め、もう一度やってみる。常にまずは前に出すことを先行させ、その上で腰内をはっきりして駈歩発進をする。その結果、今日のファドは左右ともほとんど手前を間違わずに駈足した。

そうか、やっぱり土岐田会長のメッセージは正しいんだ。大きなファドがなんだかかわいく感じられた。

ファドにスピンをさせてみた。合図として知ってるのではないから、動作をひとつずつ指示しなければならない。どうしても小さな輪乗りになってしまう。前に出ないようにと手綱を引くと引きすぎてバックしてしまう。首が横を向いてしまうのも手綱のせいだ。この加減がまだ難しいな。
昼休みのあとは久々にバーニーに乗る。ファドのあとだからやたらに小さく感じる。頭がすぐそこにある。スピードがあり、細かくて硬い反撞が特徴だ。手前は間違えないから、ひたすらその揺れに慣れようと輪を小さく描いて正しい手前の揺れを読む。とにかく走るのが好きでスピードは魅力だけど、少しお尻が鞍から跳ねてしまう。脚で反撞を抜こうとして今までより強く鐙を踏んでいた気がする。後でひざが結構疲れていた。

午後は修学旅行生が大勢来て、高橋さんもそちらに掛かって忙しくなった。バーニーを降りてから天気もなんだか怪しくなってきた。最後にBJに乗ろうかと思ったが、午前中働いてもうきれいにしてもらってあったBJをまた雨の中に引き出して泥だらけにするのも忍びなかったのでこの日は終わりにした。明日はどうかな。予報はかなりひどい雨らしい。

乗ってる写真はすべてネリー。ママが乗れずにカメラマンをしてくれたが、最初の一鞍で山荘に帰ってしまったからファドとバーニーに乗った写真はない。かろうじてバーニーとは馬繋場で撮った。
翌日、天気予報はまたしても外れた。鶯とカッコウと鋭い鹿の鳴き声が聞こえた。4時半に起きてすぐ散歩に行く。いつものコースで突然右側から3頭の鹿が飛び出してきて舗装路を横切って左方向へ駆けていった。カッコウが間近で鳴いていると思ったらすぐそこの家のTVアンテナにとまっていた。

夕べは筋肉痛で体中が痛かったけれど、今日もし乗れるようなら気持ちよく乗りたいと思って少しではあったがブラームスを練習した。カレラスファンクラブチャリティコンサートで弾くピアノカルテットだ。心がけがよかったとまで言えるほどやったわけではないけれど、青空はうれしかった。

今度セレクト会員になったから平日の9時から11時はメンバーズウィークと同じに割引になる。早起き得意の僕にはありがたい特典だね。食事を済ませていそいそとやってきた。かわいそうなママは今日もカメラマンだ。

今朝は昨日乗らなかったBJに乗る。誰もいない馬場に僕とBJだけが図形を描いていく。面白いように描きたい図形ができていく。
大きく輪を描きスピードを上げていく。手前を常に意識するのは習慣になった。できるだけ下を見ないで揺れで手前を読む。わかりにくければ輪を小さくしてみる。正しい手前の外へ振られる感じがはっきりする。大小の輪を描く練習も兼ねるからちょうどいい。

反対の手前が出たときはすぐ止めてやり直すようにした。こちらが手前を意識してるぞということを馬にわからせようと思った。
普通に走る分にはBJももうあんまり手前を間違えないようになってきた。昨日のネリー、バーニーでだいぶ速い駈足もしていたので、スピードには割合積極的に向かっていける。脚を使ったり、重心を前にしたり、手を前に突き出すようにしてみたり、どうすればスピードが上がるのかいろいろやってみた。

BJの息が弾むころにはこちらの息もだいぶ上がってきた。やっぱりスピードがついてくると脚での反撞吸収にかなりの運動をしているらしい。それでいいのか、もっと楽に乗るべきなのかはまだよくわからない。
スピンもやってみる。BJはこの動作を知っているから、その気にさせればいいわけだが、それがなかなか・・・高橋さんがやればすぐにできるのに、僕だとどうも反抗してやらないんじゃないかな。それと手綱を引きすぎて馬の首が横を向いたり自分も体勢が崩れる。わずかの手綱さばきで意思を伝え、馬に動作を思い出させ、やる気にさせなければいけない。

それでもたまにやっと少しできたときはスピン独特の回転を感じられるようにはなった。やっぱり小さな輪乗りとはぜんぜん違う。歳差運動のような感じ。

小休止を入れて二鞍目もBJに乗った。だいぶ手前がわかるようになって来たと見て高橋さんが『リードチェンジをしましょう』と言った。駈足の途中で手前を変えることで、8の字の輪乗りのとき真ん中でやる。レイニングでは必須の技だ。

馬場は2/3くらいに仕切ってあったので、大きく輪を描いて、ここぞと言うときに正面から輪の直径に入りちょうど輪の中心で手前をチェンジする。そのままぎりぎりまで直進して円周を反対回りする。チェンジするには直径に入るころから外方脚側に重心を置き外方脚を腹につけ、チェンジのポイントで反対の脚(次の輪の外方脚)側に重心を移し必要なら脚を一発入れる。

直径に入るときかなりの急カーブだし、スピードもあるので動作は正確に速く出さないと間に合わない。しかも手前を変えると同時に輪を描きそうになるが、しばらく直進させないといけない。

一応頭ではわかったつもりだが、実際にはなかなか思うようには行かない。

途中時々雷が鳴り大粒の雨が一気に降ったりした。ちょうどお昼でもあるし今日はゴールドラッシュも休みだから山荘に戻る。たかが10分足らずの距離なのに、途中乾いた路面もありかなり降ってるところもあり、さすがに山の天気はわからない。

昼を済ませて今度は一人でパディに戻る。今日も午後は修学旅行生が来ている。ネリーに乗ってさっきのリードチェンジを練習する。雷がかなり激しく、馬たちが怖がるんじゃないかと気を揉むが、案外スタッフは落ち着いている。

ネリーは手前を間違えないから、向きが変わると見れば自分で手前を変えてしまう。しかし競技ではタイミングが合わなければならないから、こちらが合図を出すまでは変えさせないようにしないといけない。できるだけ重心の移行も正確にしないと彼女は反応が速いからな。

かなりのスピードで急なカーブをきって直径に入り、手前を変えて反対回りへ抜けるという動作はなかなかスリリングだ。ネリーは張り切ってる。やりたくて仕方ないみたいだ。最後の一鞍はほとんど駆けっぱなしに駈足して手前を変えていた。

高橋さんは修学旅行の相手をしながらちらちらと見ていたみたい。まだまだ思うようではないが、それでも手前の変わる瞬間はわかるようになったし、何とかタイミングも伝えられるようになった。あとは変わったあとの体勢の崩れをなくすことかな。次回また師匠の指導を受けよう。レイニングの技をひとつ新たに教わったことで、俄然興味が強まったぞ。

次回は10日に一穂となべ画伯、それにオケのスタッフ西野君が初めて来る。楽しみだ。

僕は一気に通算62鞍、かわいそうなママは変わらず47鞍。早く腰を直してまた一緒に来ようね。
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