乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年6月10日 抜け駆けの代償

前回来た先月の末、ママは腰痛で二日間一鞍も乗らずに我慢した。僕は天気予報に反して結構いいお天気のもと、ネリー、ファド、バーニー、BJに乗って充実の6鞍だった。なんと言っても最後に教わったリードチェンジ(駈歩の手前を変える)が僕には新しい技で、レイニングに惹かれ始めた僕としてはこれはなんとしても完全にマスターしなければならぬ。

今日は中間試験と英検が終わった一穂と、オケスタッフのなべ画伯と西野クンを連れて来る約束をしていたので、教会に行かなければならないママを残してレミとヴィヴォを乗せ、朝早く家を出た。なべ画伯は4月始めに初めて夫婦で乗馬体験した。今日は2回目、仕事のある路ちゃんを捨て置いて早くも抜け駆けである。やはり亭主は何事も女房より一歩先んじていなければならぬ。となればこの抜け駆けは当然である・・・

天気予報ではどうもあまりいい感じではない。が、前回もちゃんと青空になったではないか。家を出るとじきに薄日が差した。ハハハ・・・どうだ、僕は晴れ男なんだ。

八王子ICで降りて陣馬街道に入る手前、浅川を渡るとき右手に陣馬山方向を見ると豊かな緑に覆われた山並みに低いところまで白い雲が纏わりついている。きれいな景色だが天気は不安定だな・・・パウロに着くと雨は降ってはいないがかなり降ったらしく、木々の葉が重そうに濡れていた。

今年度から3期制になったので6月の出寮がなくなった。ゴールデンウィークから夏休みまで顔を見られないのは長すぎる。元気な一穂の顔を見たらうれしかった。

高尾駅で画伯と西野クンを拾い、甲州街道から相模湖ICに入りパディを目指す。
大月から河口湖へ向かうあたりからいよいよ天気はいけなくなってきた。パディに着くと土砂降りの一歩手前くらいに大粒の雨が降っている。当然馬場は水溜りができている。受付に駆け込むと、今日はキャンセルが相次いでいるとのこと。そうだろうなぁ、この天気じゃね。

厩舎へ駆けていく。カオリンさんやひささんが厩舎の掃除をしている。馬たちは・・・?何頭かは鞍を置いて待機している。でも次々キャンセルで手持ち無沙汰になっちゃった。あれ?営業部長のアルバートがいないなぁ。どこに行ったんだ?

高橋師匠も空を見上げて『雲があんまり動いてないですねぇ』と言うことは止まないってことかぁ・・・馬場はだんだん水溜りが大きくなって川になってきた。

西野クンは初めてだからゴールドラッシュでビデオを見た後、画伯とコーヒー飲みながら雨の止むのを待っている。
一穂は車の中で時折聞こえる雷に震えてるレミ君に優しく寄り添っている。さっきわずかに小降りになった間に散歩に行ったら途中で降ってきてかなりずぶぬれになっちゃった。

ヤマナイネ・・・
止みそうもない雨を恨めしく見ながら、そうだ!ここでくすぶってるより山荘に行ってこよう。きれいになったところを一穂も見ていないし、画伯や西野クンも初めてだから来てよ。お茶くらいは淹れられるし。というわけで一同山荘へ。

雨に濡れた山荘近辺の木々と草はほんとにきれい。塗りなおした真っ白な壁がいいねぇ。一穂も中が素敵になって畳の新しい匂いなんかもするし、お風呂やトイレがきれいに明るくなってるのを見て『おぉ、なんか素敵なペンションみたいだ!』とよろこぶ。どうだ、よくなったであろうが。

紅茶を淹れて小一時間、おしゃべりするうちに雨がだいぶ小降りになってきた。こことパディでは結構違うんだが、まあ快復の兆しかな。お腹もすいたし、ゴールドラッシュのハンバーガー食べに行こうよ。

パディに戻ってきたら、雨はもうほとんど止みそう。これなら今のうちに一鞍でも乗ったほうがいいな。お腹すいてるけど乗ろうや。
師匠に声をかける。よろしくお願いします。今日は初めての西野クンと2回目の画伯、一穂と僕です。

『わかりました。じゃぁ、黒川さんはネリー、一穂君はジュリアンに乗ってもらおうと思います。渡辺サンはミラージュ、西野サンはスノーに乗りましょう』

よし、ネリ−なら前回も最後に乗ってリードチェンジを散々やったんだ。今日もやってやるぜ・・・一穂はジュリアンか。反撞が大きいが大丈夫かな。だいぶ久しぶりだしな。

師匠はファドに乗って動かしながら、全体を見回し適宜指示を飛ばす。ときには電話も掛かって忙しい。
朝の強雨でキャンセルしたお客さんは多かったが、なじみの会員さんは粘り勝ち。会員用のパイナップルハウスは格好もばっちり決まった皆さんが溜まっている。僕はまだちょっとあそこへは座れないなぁ・・・
さてネリーの調子はどうかな。まずは並歩から・・・あれ?ネリ−、ほら並歩だよ、進むんだってば!『・・・・・』こら!なんだよ、進むんだ!『・・・・・』なんだかやるきないなぁ。馬場がぐちゃぐちゃしてるから気に入らないのか?

やっとのことで動き出した。少し並歩してすぐ軽速歩。とにかく前に出すんだ・・・前回確信した(はず)のメンタルに働きかける、従順性を引き出す、コントロールの前提となる大事なことのためにまずは推進させることだ・・・そう思いながらやる気のないネリーの腹に脚をボコスカやる。いいや、どんどん行っちゃえとばかり駈歩に入る。待ってましたとばかり走り出した。おい、そんなに飛ばすなよ。足場が悪いんだからさぁ。転んだらいやだろ。とかぶつぶつ腹の中で言いながら、それでも必死で乗ってた。

ときどきぬかるみで滑るのかでこぼこに蹴躓くのか、足並みが乱れる。そのたびに乗ってる僕は放り出されまいと必死になる。ほら、だから言ってるだろ。放り出されたら堪んないのはこっちだからな。
僕が必死になってるのを師匠はどう見ていたのかな。まぁ、習うより慣れろというところか・・・ほとんど指示は出なかった。

さて一旦止まるとまたネリーは機嫌が悪い。進めようとすると逆に下がったりする。おい、おちょくってんのか?見かねて師匠から指示。『ここでやめたらだめです。前に出るまではとにかく脚を使って!絶対に馬に勝手にさせたらいけません』賢さん語録に『いつも調教するつもりで乗れ』というのがあったなぁ。下手が乗れば間違った調教してるようなもんだ。馬だって迷うよなぁ。

なかなか歩かないネリーには構わず駈歩だ。いきなり駈歩に切り替える。『そうです、動かなければバシッとやって駈歩ならそれでもいい!』師匠が叫ぶ。俄然元気になって走り出す。よぉし、それならこっちも負けないぞ!

悪戦苦闘してたら久保田さんが外乗からお客さんをひとり連れて帰ってきた。この天気でも行ったんだね。あぁ、営業部長!さすがこのお天気でも喜んで行ってくれるのは君しかいないね。
じゃじゃ馬振りを発揮する今日のネリーに一鞍乗って、結構くたびれたしお腹もすいた。ネリーを厩舎に連れて行って久保田さんに預けゴールドラッシュで昼にする。レミとヴィヴォも連れてるから外にしようか。外のベンチでそれぞれ好きなハンバーガーを頼む。ほんとここのハンバーガーはうまい。

初めての西野クン、一鞍乗った感想はどうですか?『うーん、楽しいっすねぇ』よかった。

画伯は2度目で、前回よりだいぶ乗りやすくなったんじゃない?『・・・・・』(ニンマリして否定はしない)

一穂はジュリアン、どうだった?『うん、乗りやすかったよ』そうか、でも反撞が大きいだろ?『そぉねぇ、でもいい感じに乗れた。案外忘れてなかったよ』

やっぱり一穂はなんか馬に関しては勘がいいんじゃないかな。
さて満足してちょっと一息したところでもう一鞍行こうじゃないか。

一穂は試験勉強で字を書きすぎて右手が腱鞘炎になった。『今回は一鞍でやめとくよ』そうか、無理するな。じゃ、せいぜい写真でも撮ってくれ。

二鞍目は画伯がブルボン、西野クンはカズちゃんに乗った。二人はどうしてるかな。あぁ、ちゃんと蹄跡を回っているな。さすがは前回二鞍やってる画伯は姿勢がいいぞ。なんか馬上の姿と言い表情と言い、妙に似合ってるね。
前回は日本の夫婦斯くあるべしと言う、最近の骨のない亭主に見せてやりたい凛々しい姿だったが、今日はまた一段と背筋も伸びて古典的日本男児の引き締まった表情が実にいい。こら!後の若者、背中が伸びていないぞ!

いやいや、西野クンも初めてとしてはよく乗ってますよ。
さぁ、今度はネリーに余計なことを考える暇を与えずに走らせよう。そう覚悟を決めて大きく馬場を楕円に回る。よし、一発やってみるかな。左回り左手前からパイナップルハウス側のセンターの赤いコーンのところで中へ切り込む。右へ重心を保ったままちょうど中心に差し掛かったところでグイッと左へ重心を移す。左足(外方脚)をかすかに当てたかというところで右手前に切り替わった。

やった!ちょうどそのときカオリンさんが見ていて、『ワオー!すっごい!!!』歓声が上がった。

最高の気分だったね。大いに気をよくした。
しかし・・・調子がよかったのはそのときの一発だけ。そのあと何回か挑戦したけど、手前を変えたとたんにカーブしてしまうし、跳ねるような動きにお尻が鞍についていてくれない。体勢が乱れる。

師匠は『手前を変えてもそのまま直進、または場合によっては反対に回るくらいのつもりでやってください。そうしないと馬は手前を変える指示だけで方向はまっすぐの指示なのに曲がるように考え違いするようになります』なるほど。また間違った調教してるんだな。
なんとか言われたことを実践しようと再度挑戦。大きく輪を描きスピードが上がってくる。よし、行くぜ。真ん中へ切り込む。重心を右に維持して、それ今度は左だ。左足でコン!手前が変わると思った瞬間ネリーが跳ねる。お尻が宙に浮いて直後、GONN!いて!かつてジュリアンに乗って喰らったあの痛み。前回も最後ごろ一発喰らったが、初めてのリードチェンジに気持ちが上を向いていたから耐えられた。だけどまだ今日はその痛みが残っていたんだ。くっそーっ!効いたぜ。

ここでめげてなるものか。もう一度バシッと決めて気分よく終わりたいじゃないか。再再度左回りから切り込む。センターで手前を変え・・・GONN!いってぇ!!
『黒川さん、そろそろ時間です』カオリンさんの声が掛かる。はい、もうやめようと思ってました。今日はここまでにしま、いてっ!・・・す。ちょっとでもお尻が固いところに当たるとやばい。今日はこれといって進展はなかったようだが、あの一回があったからよしとしよう。馬場も悪かったしネリーも機嫌がいまいちだったし・・・なんと言っても連続のGONN!はダメージが大きかった。
カズちゃんに乗る西野クン。やや上背も足も長さが余ってる感じだけど、若いしハンサムだし、じきににもっと格好よく乗れるようになるだろう。続けて乗れればいいんだけどね。まぁ、気が向いたらいつでも声かけてよ、付き合うから。
今回の決定的ベストショット!鉛色の空に浮かぶドン・キホーテの像。ヘルメットがマンブリーノの兜でないのが惜しかったか。

画伯もうまくなりそうだね。ぜひ続けましょう。2回目にしてすでに抜け駆けもして路ちゃんには差をつけたしな。
最後にもう一度レミとヴィヴォを連れて一穂と散歩に行く。急に日差しが出て夏を感じさせる。でも空気は爽やかだし雨上がりだし、気持ちいいや。あやめが咲いてる。あれ、藤がまだ咲いてるね。一穂とはまた夏休みまで会えないし、それまでに進路を確定して推薦のための校内選考に備えなきゃならない。漢検や期末もあるな。ちょっとではあったが、今日一緒に過ごせてよかったよ。
レミとヴィヴォを少し自由にしてやった。ここではそれができるからいいよね。草の上を転がったり林の仲へ駆け込んで行ったり・・・さぁ、そろそろ行こうか。
レミ、おいで。リード着けようね。よし、んじゃ今度はヴィヴォ。来てごらん。気持ちよかったね。
抜け駆けの代償かなぁ、午前の大雨と2発のGONN!はあったが、楽しい一日だった。この次はママと来ようね。ママの腰がそれまでによくなりますように。
僕は通算64鞍、一穂は12鞍、画伯は4鞍、西野クンが2鞍。

6時の点呼に間に合うようにパウロに向かう。相模湖で降りるつもりがうっかり通り越したので、八王子で出て駅で二人を降ろし、陣馬街道を戻ってパウロに着いたのは5時半だった。寮室へ行くと寮生の仲間たちが次々出てきた。もう僕もすっかり彼らとは顔なじみだ。みんないい仲間だな。揃って風呂へ行った。一穂も『俺も入ってくる』あぁ、そうしな。んじゃ、とーちゃんは帰るからな。

いつもそうするように力いっぱい握手して別れた。車に乗ってもしばらくは一穂の手の感触が残っている。
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