乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年8月3日 久々の、しかもトレイル第一歩

6月から7月はやたらに忙しく、それも内容の濃い仕事が多かった。練習に取られる時間が多く、肉体疲労はかなりのところまで来ていた。それ以上に辛かったのが緊張状態の持続から来る精神的な疲労。

オーケストラの仕事がエッティンガー指揮でオペラ・ファルスタッフ(新国)から始まって定期が二つ、ほかのコンサートが一つで丸一月、すぐ翌日からチョン・ミョンフン指揮の定期はコンサート形式でモーツァルトのオペラ・イドメネオ、それから引き続いてベートーヴェンの全交響曲連続演奏会。その中でフィルハーモニーカンマーのクロスクラブサロンコンサートが思いのほか大変だった。

僕の仕事が一段落したところでもママはレッスンがあって休みにならない。ちょっと良心の呵責はあったが、せっかくの休日だからと思い立ってひとり、いやヴィヴォが一緒だ、カルマンでパディに向かった。
ヴィヴォを横に乗せてカルマンは中央道を河口湖へ。前回が6月20日、いやぁ久しぶりだったな。台風5号が九州へ上陸とか言ってたかな。毎年いくつもの台風の直撃を受ける九州や四国は大変だな・・・。雲がかなりの速さで流れている空を見ながら、今日は曇りで暑からずちょうどいいかな、などと呑気に思っていた。

インターを下りたあたりでフロントガラスに少し雨が当たった。カルマンは幌を開けていても小雨くらいなら走っている間は大丈夫だ。雨はみんな後へ飛んでしまってほとんど濡れないんだ。

鳴沢の小学校あたりまで調子よく走ってきた・・・。ありゃ!?渋滞だなぁ。にわかに雨が気になりだす。まあいいや、たいした降りじゃぁないさ。

やっと渋滞も抜けてパディに到着!あ、高橋さーん、おはようございます。急に思い立って来ちゃいましたぁ。

あたりがやけに濡れてるからだいぶ降ったのかな?と思ったら、どうやら今日はこれから雨になるらしいとのこと。こりゃ急いだほうがよさそうだ。カルマンの幌を閉め、ヴィヴォのために窓は少し隙を開けておく。
高橋さんが久々の僕のために中代さんに用意させてくれたのはキャロライン、ワオ!初めてだ。まずはいつものように慣らしのためにゆっくり並歩から。だいぶ水を含んだ馬場を左回りで進む。軽速歩、正反撞、駈歩と順に試す。なんだかとてもゆったりした感じ。BJやネリーに乗りなれたこのごろはある程度スピードのある馬のほうが馴染みやすいが、まぁ久しぶりでもあるし速いだけが乗馬じゃない。

しばらく様子を見ていた師匠が、馬場に青と白のツートンの競技で使うバーを3本並べはじめた。『今日はキャロラインのできることをやってみましょう』前に初めてBJに乗ったときも師匠のその言葉を聞いた。あの時はスライディングストップとスピンだった。レイニングの技だ。で、今日は?

『そこに並んでいる3本を速歩で超えます』今までにほかの人が練習しているのを見たことはあった。『速歩のペースを作ったら真ん中を目指して進路を取ります』なるほど『馬が自分で足もとを見て超えられるように手綱を緩めます』要するにやるのは馬だから、こちらは進路だけ定めて、そのまま進むんだよと指示したらあとは邪魔をしないことなんだな。たとえば山や野原を駈足していて前に倒木があったとして、超えられると判断したらそのまま進め、馬がよっしゃ!とばかりに飛び越える。そんな状況をシミュレーションしてるのかな。
キャロラインはトレイルの調教をされているから、こちらが迷わず毅然とした態度で扶助を出せばちゃんとやれる技術は持ってるんだな。そう考えてやってみる。うまくいくときもあるし、たまにコツンと蹴躓くときもある。速歩で3回くらい続けてできたら、『今度は右手前の駈歩で!』と指示が飛ぶ。最初いきなりうまく行った。これはいいぞ!と思ったら、次からは直前でストップ。おっとっと・・・何度か繰り返すがいざというところで速歩に落ちたり止まったり。師匠が『キャロラインは忘れてるようですから、僕が代わってやってみましょう』師匠にはちゃんと従うんだな、癪だけど。見ているとキャロラインの足の運びはとてもきれい。数歩前から歩調をきれいに合わせて見事にバーを越えていく。一度師匠のときも止まりそうになった。すかさず声と拍車で叱る。すごい迫力!そうか、あれくらい強く叱れば意思が伝わるし馬が従うんだなぁ。でも絶対的な自信の裏づけがあってできるんだよな。まだ馬のほうが先輩だという弱気が顔をもたげるうちはなかなか・・・師匠が乗ってくれたあとは割合うまく行った。スピードが落ちないようにバーに向かう手前から気合を入れていく。何度か繰り返しできて、まぁ初めてとしてはいいかな。
『今度は柵を開けて入るのをやってみましょう』師匠が手本を示す。左手の片手手綱でゆっくり柵に近づき、入り口のロープを右手ではずす。写真では奥から手前に向かって自分と馬の右に柵を見る形。手前の柱のロープをはずし、バックして馬の鼻が手前の柱までさがったら柵の中へ馬の首を振る。右へ回り込むようにして柵の中へ入る。むこう向きに柵に平行にし、バックして手が届くところまで来たらロープをかける。なるほど・・・やってみる。馬体が柵に平行にならなかったり、手の届くところで止まれずに通り過ぎたりはしたけれど、何とかそれらしいことはできた。微速で前進や後退、横へ平行移動などの細かい位置修正が必要。拍車の微妙な使い方が必須課題。
『次はクランクをやってみます。』どんどん新しいことに挑戦させてくれる。時折激しい雨が降ってくる中ですでにかなりずぶ濡れではあったがここで止める訳にはいかない。緑と白のツートンのバーでコースを作ってある。手前から入って左へ直角に、突き当りを右に直角に行き止まりまで行く。バックで右の拍車がコーナーまで来たら(このときちょうど馬の後肢が手前の斜めになっているバーぎりぎりまで来ている)馬の首を左へ振る。バックさせ左の拍車がバーの終わりまで来たら馬の首を右に振ってバックで出る。バーに触らないように足もとを見ながら慎重に動かす。

おもしろい!初めてトレイルもおもしろいんだと思った。いろいろ課題ができたから楽しみになってきたぞ。夏休みには毎日練習しよう。パディの馬たちはそれぞれ得意分野があるから、その日の練習課題を考えて馬を選ぶようになるな。

水が滴るほど濡れたシャツに替えがないし、困ったな。とにかくゴールドラッシュで熱いコーヒーを飲みながら乾かそう。
ハンバーガーは11時からだから少し待たないとだな。外を見るとさらに激しく雨が馬場を叩きつけてる。あっという間に陸が見えない大海原になった。雨の中、カオリンさん、ひささん、中代さんが厩舎の掃除など働いてるのが見える。営業部長のアルバートが客寄せ踊りを踊ってるのも見える。みんな仕事熱心だね。

11時、クラシックバーガーとチリビーンズはお気に入りのメニュー。久しぶりに食べるとまたまたうまい!食べてるときが一番雨足が強かった。横殴りの雨がすさまじい音を立てている。なんとなくさっきまでと風向きが違うような・・・やばい、カルマンの窓の隙が開いてるんだった!

食べ終わると同時に雨が小降りになった。急いでカルマンへ走る。あ!中でヴィヴォが顔も背中もずぶ濡れでムサムサになってる。助手席には水溜り!!急いでヴィヴォとカルマンの室内を雑巾で拭いて窓も閉める。それからカメラを持って厩舎へ。キャロラインは食事中だ。さっきは雨の中ありがとうね。素敵な馬具を着けて颯爽としていたけど、今はいつものタオルを頭に載せて温泉スタイルで無心に干草を食べてる。
パイナップルハウスには先月行われた八ヶ岳ホースショーの表彰状がずらり。見に行きたかったなぁ。でも今年は台風4号がまともに来ていたからたいへんだった。

4年連続のオールアラウンドチャンピオンに輝く師匠、高橋康殿の賞状が何枚もあり、弟子としても誇らしい。ほかにもスタッフのみんなの賞状がいっぱいだ。うーむ、いつか僕も賞状もらえるだろうか。それにあの輝く銀のバックル、かっこいいよなぁ。
ウェスタンの競技はほとんどが馬の出来を見るんだ。乗り手は馬の邪魔をせずやるべきことの指示だけを正確に出せばいい。ということは馬を如何に育て調教するかということなんだな。でも自分の馬を持つことはなかなかできないし、調教も自分だけでは難しい。当分はここの馬たちに教えてもらいながら少しずつこちらも調教できるようになって行きたいね。

競技馬の厩舎には馬たちが獲得した賞のリボンがずらり。おおかたはまだ乗ったことのない誇り高い競技馬たちだ。でもキャロラインも今年の大会ではひささんを乗せて活躍した。

いやぁ、今日は楽しかった。目標を持つと人間俄然やる気になるね。高橋さん、ありがとうございました。

ますます激しくなる雨の中、濡れたシャツは冷たかったけど熱い思いでカルマンに乗り込んだ。

今日の2鞍で通算70鞍になった。馬はキャロラインが加わって13頭目。
帰り道、国道はほとんど川のようだった。ときおりカルマンの幌の隙間から雨が漏る。床もかなりぼろいからなぁ、あんまり深い水溜りには入りたくないな・・・

河口湖インターの手前まで来たら突然雨が止んだ。前方は青空が広がる。道も乾いてるじゃないか!突然照りつける太陽。山の天気は局地的で激しい変化を見せる。

途中谷村PAにシャツとヴィヴォとカルマンを乾かすため寄った。幌を開け、シャツを脱いで広げ、ヴィヴォを連れて日向のベンチへ腰掛ける。真夏だというのに日盛りのベンチの暖かさ(?)が気持ちよかった。

同じように雨にあって濡れたシャツを乾かしているご夫婦とベンチで小一時間話した。朝霧高原の名水を汲みに来て雨にあわれたそうな。僕より少し年配だけど、とてもスポーティな気持ちのいいご主人だった。

4時くらいに家に着き、折り返しエルグランドに乗り換えてママを乗せ、一穂の入院している病院へ向かった。
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