乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2007年10月19日 曇りのち雨、緊張感・・・

10月の半ばを過ぎるとパディのある山梨県鳴沢村はかなり寒くなっていた。我々が乗馬を始めた去年のことを思い出す。9月末に初めてここへ来て、僕はネリーに、ママはアルバートに乗った。あのころはまだ残暑もあって馬に付くハエを除けるスプレーの臭いが印象的だった。

10月の始めに2回目、そしてちょうど今回来たのと同じ19日に3回目の乗馬をしたんだな。前の日記を読み返すとなんだかとても懐かしい。

ママは夏の乗馬三昧以来だから2ヶ月ぶり、僕は間に一度抜け駆けしたからひと月ぶりにパディに来た。曇り空で紅葉はまだ少しだけ、何となく色が全体にくすんだ印象だ。ママはリボンに乗る。

お天気に恵まれた今年の夏は馬たちもフル稼働だった。秋になってお客が減ると馬たちもひと休みなんだけど、結構パワーが余っちゃっていきなり乗ると危ない。師匠がリボンに調馬索を付けてしばらく走らせる。適当にエネルギーを消費させたところでママが乗る。それでもまだ元気いっぱいで結構激しい動きをすることもある。それに夏から始まっているスタッフの宿舎新築工事で木々の間からヌッと立ち上がった建物にどの馬も一様に恐怖感や不信感があるらしい。そちらを向いたり近づいたりしたときは馬の不意な行動に気を付けるようにと指示があった。

リボンが時々跳ねたり急停止したりしていたが、ママは落ち着いてバランスを取りしっかり乗れていたな。馬に対する態度も毅然としてきた。
今日の馬場は林側半分にバーを置いてトレイルの練習をするようになっている。12月8〜9日にパディで開かれるコンペのためだ。残念なことにその日は仕事が休めず来られない。翌日は休みなのになぁ。でもとにかく今日はせっかくのチャンスだから競技で使うコースを使って練習がしてみたいな。師匠はそういう僕にキャロラインを指名した。

前に彼女に乗ったときもそうだったけど、駈歩を維持するのに気合いがいる。すぐ楽をしようと速歩や並歩に落ちてしまう。バーを越える前は特に気合いを入れてペースダウンしないようにするんだが、今日もやっぱりだめだぁ。速歩で越えるのはまぁまぁかな。

師匠もマーサに乗ってしっかり準備。師匠の場合は馬を調教して本番に他の人が乗ってもできる馬を育てるという意味合いが強い。僕はできてる馬に乗って馬の邪魔をしないという感じ。ちょっと違うよな。

師匠がやってるT字のコースを使った車庫入れのような練習もキャロラインで一応はできた。
ハンバーガーのお昼を食べたあと、ふた鞍目はサンダー。トレイルなら任せてくれという感じの歴戦の覇者。こちらはまだトレイルに関して超初心者だから、できるだけサンダーの動きを邪魔せず動作を観察する。

馬を細かくコントロールしてコース内を正しくスムーズに動かす。サンダーはここで何をするのかを知っているが、タイミングや方向は指示を必要とする。

左の入り口から入り、直進して行き止まりで停止、バックして(この写真)手綱で首を右に振り右の脚で尻を向こうへ向ける。
バックで向こうの行き止まりまで下がり停止。前進してこちらの行き止まりで停止。バックして手綱で首を右に振り(この写真)右の脚で尻を右の枠内へ入れる。
バックして行き止まりで停止(この写真)
前進して出る。

師匠のやるのと比べて、手綱を持つ手の位置が違うなぁ。師匠はかなり高く持ってるが僕は低いや。高い方が馬に伝わりやすいのかな?足首を曲げて踵を下げすぎてるかな。やや力んでいたかも知れない。拍車を使いたいときにすぐ使えるようにあまり下げすぎないように注意された。
今度はボックス。並歩で入り停止。手綱と外方脚と舌鼓でその場回り。前にやったときに比べて姿勢の崩れ、手綱の引きすぎは改善された。レイニングのように激しいスピンとは違うからこれも手綱はもう少し高い方がいいかも知れないな。

片手手綱のとき、思うように向きが変わらなければもう片方の手(手綱の持ち手は左手だから右手)で手綱を引き首を向けさせる。そのためにも手綱の持ち手は少し高めにした方が良さそうだ。

うーむ、馬の向きをコントロールする練習は、バーのないところでもやってみるといいんだな。片手手綱の扱いを師匠がやって見せてくれたが、左手で持った両手綱は左右に分かれて銜へつながる。師匠のように少し高く上げて持てば、手綱が自分の前で縦に下がっているから馬の首を向けたい方向にするときに足りなければすぐ右手で補助が出せる。僕のは低い位置だから、手綱がまっすぐ銜へ向かってしまって右手の補助が出しにくい。よし、これは次回試してみよう。
駈歩で斜めに高さを設けたバー3本(4本のうち中の1本を抜いた位置関係)を駈歩で越える。歩調を崩さない勢いがいるな。手綱を緩めて馬が下を見られるようにしてやること。
ママはふた鞍目にかずちゃん(ファーストボーイ)に乗った。初めてだね。

もともと性格はおとなしく顔立ちもかわいいんだが(しかもかずちゃんという名前が我々にとっては親しみがあるし)、外乗でほかの馬に付いていくことの多いかずちゃんはどうも馬場でもほかの馬に付きたがる。勝手にコースを変えたり止まったりする。ママはずいぶん頑張ってそんなかずちゃんに言うことを聞かせようと苦労していた。
師匠の注意は、そんなかずちゃんの性格に絶対に従わないこと。止まりたい場所はだいたい決まっている。そこへ近づいたら拍車を掛け絶対に止まらせない。ほかの馬を気にしたらわざと反対方向へ。とにかく馬の頭に間違ってインプットされていることは修正していかなければいけないんだ。
天気予報通り2時頃から雨が降ってきた。じっとしているとかなり体が冷える。もうひと鞍乗るかどうか迷うなぁ。中代さんが調馬索を付けて馬を回している。雨に濡れた馬場は埃が立たずちょうどいい湿り具合。やっぱり乗ろうかな。

師匠の指示でネリーが用意された。大丈夫、彼女の嫌いな水たまりはまだ無いから。
水たまりの心配はなかったけど、手綱が雨に濡れてぬるぬる滑るのには参ったな。ネリーも元気が余っている感じで、速歩から駈歩になるととたんに過激に反応する。それにどうも何か落ち着きがない。何かを気にしてるらしいな。

初めは工事から遠ざけようと思って林側で乗っていた。でも工事だけじゃないみたい。どうやらトレイルのバーが並べてある馬場が気に入らないんじゃないかな。バーの置いてある間を縫うように行こうとすると、時々まっすぐに進まないで勝手に横歩きになったりするし、落ち着かないときの特徴で、首をあげ耳や目があちこち探すような仕草をする。何かに怯えているんだな。

試しに反対側(工事をしている側)の半分に行ってみた。明らかに工事を気にしている。工事の音はそれほどしていないが、それまで無かった大きな建物がそこにあるというだけで、それがなんなのかわからない馬たちにとっては脅威なんじゃないかな。

師匠がネリーの突発的な行動に気を付けるようにと注意をくれた。そして様子を見るためには輪乗りがいいとの指示。初めに小さな輪を一番工事に近いコーナーのあたりで描いてみた。いかにも落ち着かないので少しずつ輪の位置をずらして遠ざかった。道路側で左回りに小さく輪を描いてみたら、工事の側へ向いたときには耳がそちらを向き速度が落ちる。反対に回り込むと逃げるように速度が速くなる。と思ったとたん、一気に林の方へ暴走した!
師匠が『大丈夫ですか?』と声を掛けてくれたが、予測していたし、暴走はBJで2度経験がある。特にあわてることはなかったが、ネリーの気持ちを落ち着かせなければと考えた。師匠がトレイルをやっている側の厩舎側で小さな輪を描き、駈歩のペースが落ち着いたら馬場の半分くらいまでのトラック状にしてみる。カーヴと直線の速度が変わらないように気を付けながらさらに直線をのばす。

やはりどうしてもまだ工事の方向に向いたときの不安感は拭えなかったが、こうして少しずつ慣らす以外仕方ないんじゃないか。あれは建物で怖いものじゃないんだということを早くわかってくれるようにと思う。
馬の心理を読みながら乗る・・・難しいけれど車では味わえない、生きているもの同士の自分と馬の一体感を求める楽しさ。いよいよ深いところのおもしろさが見えてきたぞ。

馬から降りて馬繋場で濡れたネリーの体を拭きながら師匠と話した。6年前(2001年)、師匠は初めてパディに来て馬に乗ったとのこと。そして今の姿からは考えられないほどうまく乗れずに苦労したそうな。先輩たちの乗るのを見て手綱や拍車の技術を真似ようとしたがうまくいかず、あるとき馬の頭をコントロールすれば合図はさほど重要じゃないことに気づいたこと、でも馬の突発的な行動で大怪我をして、しばらくは乗るときの恐怖心が拭えなかったことなど語ってくれた。今絶対の信頼を肩にパディのチーフを務める師匠、その話に僕はとても共感した。

今日は3鞍乗ってトータル93鞍、ママは2鞍乗って67鞍、かずちゃんが15頭目の馬になった。次回は26日に来るつもりだが、師匠はまもなくアメリカへ馬の買い付けなどで出かけその日は留守とのこと。久しぶりに明野のサニーに福田さんを訪ねようか・・・
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