乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2008年3月10日から13日 家族で休日

一穂の聖パウロ学園での楽しくも充実した高校生活は、3月1日の卒業式で完結した。写真は、伝統の寮生を最後まで立派に終えた6名が表彰を受けたところ。

この日3年間暮らした寮、パウロハウスを出ることになった最後の寮生6名は、送ってくれる後輩の寮生こそいなかったが、先生方、食堂や洗濯など生活面でお世話になったスタッフの方々に送られて、すでに通学生が引き上げて閑散とした学校の門を伝統に従ってタクシーで出ていった。高尾駅で抱き合って別れた彼らは本当に強い友情の絆で結ばれていて、それはこれからの彼らの人生にきっと支えとなるに違いない。離れて見ている我々の心にもあの別れの光景は忘れ得ぬものとなった。

4月1日の入学式より早く、3月17日には引っ越して一人暮らしを始める一穂。我々にとってはやはり寂しくもあるが、期待に胸ふくらませて次なるステージに向かう一穂を心から喜んで送り出してやりたいと思う。一緒に暮らすことのできる日が日一日と減って、ちょうどあと一週間となった3月10日から3日間、家族で揃って休暇を過ごすことにした。
お天気がさえざえしなかった初日は箱根へ。仙石原のお気に入りのおそば屋で昼を食べ、ポーラ美術館へ。モネを中心とした印象派の風景画などをゆっくり見た。

夕方パディへ。今回は山荘ではなくて、パディの一番豪華なコテージ、リミテッドを予約してある。一穂の好きな屋根裏部屋風の寝室があるし、レミとヴィヴォも一緒に泊まれるんだ。

その晩はゆっくり一穂と露天風呂に浸かり、コテージで家族だけの水入らずの食事をして早めに休んだ。さあ、明日は乗馬を楽しもう。

朝、目を覚ますとまずレミとヴィヴォを連れて散歩に行く。朝食までの間に近々あるシューベルト協会のコンサートで弾くシューベルトのトリオとカルテットのCDを聴き、スコアを見る。この月末はこれのほかにもまだコンサートや結婚式、それに一穂の引っ越しもあってなんだかやたらに忙しい。
前回は雪が深く、新雪を踏んでの外乗がすばらしかった。今回はもう雪もだいぶ減り、馬場の状態もいい。僕はブルボン、ママはエド、一穂はアルバートに乗る。みんな馬場で乗るのは久しぶりだから、ゆっくり感じを思い出すように乗った。一穂はアルバートを上手に乗りこなしている。

一鞍を終えてそれぞれ感じを取り戻してきた。我々は続けて乗りたい。でも一穂は少し疲れてゆっくりしたいと言う。いろいろな思いが胸の中にいっぱいあって、きっと馬に乗っていても少し気持ちが重いのかも知れないね。いいよ、ゆっくりしてな。とーちゃんたちの写真でも撮ってくれ。

師匠が僕に用意してくれたのはマックスだ。初めてだけど、どんなかな。
ママはお馴染みのリボン
マックスは結構走りたがり屋で、うっかりするとスピードが出過ぎる。力強い走りは魅力だけど、反撞は硬めでお尻に応えるなぁ。今回は座り方を少し直している。今までやや後ろに置いていた重心を前へ持ってきて、基本姿勢を肩、膝、拍車をまっすぐに並ぶようにした。このことで特に駈歩のときに前に突っ張り気味だった脚を修正するんだ。なるほどこれなら駈歩でお尻の後ろがすりむけるということはなさそうだ。だけど下手をすると反撞を前の方で受けてやばいことになるなぁ。
お昼のハンバーガーのあと、僕はファドだ。
ママはネリーに乗る。
今日はいずれの馬も様子を見るように控えめに乗った。ファドは大きくて真っ白な体に冬毛をふさふさとさせて一層気持ちのいい手触りだった。ネリーも冬毛が伸びて顎のあたりはだいぶひげ面になっていた。去年あたりはまだそんな夏と冬の毛並みの違いなんかは気づかなかった。いろいろな表情を見せる馬たちがずいぶん親しい存在になった。
翌日は一穂がマックスに乗った。我々に比べて圧倒的に回数が少ない一穂だが、それにしたらずいぶん自然に乗っていると思うよ。元来身体が柔らかい質でバランス感覚もいい。動物も好きだし、馬には向いてるんだろうな。もっと頻繁に乗っていればどんどんうまくなりそうだけど、ま、ゆっくり長くつきあえばいいさ。

今回は受験、卒業、新生活の準備などで心身共に大きな変化の波に揺さぶられた疲れもあっただろう。我々なら忙しい最中でも一日休みと決めて馬に乗りに来ればすべてを忘れて楽しめる。でももう少しデリケートな一穂はなかなか自分を解放できないみたいだ。

それでも一穂が見せる笑顔がいつもと変わらず実にいいんだ。この笑顔のおかげでどれだけ僕たちは幸せを感じていることか。頑張れよ。今まさに青春のまっただ中にいるんだ。
今日のママはリボン。昨日より勘を取り戻しているので積極的に動かす。
一方、僕はBJだ。冬の間にエネルギーが有り余っているBJに乗るのはちょっとした緊張感がある。今までにも数回暴走された経験がある。予想はしていたが、やはり来た!馬場の駐車場側から白樺の林へ向かう方向がBJの暴走心(?)をそそるらしい。走られたらもうわお!と叫んでも止まらない。手綱を引いて小さく円を書くように減速させる。立て続けに数回あったが、こちらもだいぶ慣れて、なに、ちょっとスリルがあるけど大丈夫、という気があった。

だけどこれを許しておくことには問題があるんだ。いわばBJの性質に由来する欠点なのだから、彼のパニックは乗り手の指示を忘れさせ、一つ間違えば事故もあり得る。きちんと調教しなければいけない。それにはどうするか?
代わってBJに乗った師匠が調教の仕方を教授。とにかく突っ走るときにはBJの頭の中は爆発していて何も聞けない状態になっているから、そうなる前に少しでも勝手な行動を取ろうとしたらすかさずバックさせる。バックはつまり止めることと同じ性質の指示だから、声による確実なストップを覚えさせるにも繰り返しバックをさせる。
バックには手綱を引きつつ脚で馬の肩のあたりをコンコンと蹴る。強さは馬の従い具合によって加減する。
馬の服従しようという意志を完全に掴んでこそ、技術を持った馬からその最高の技を引き出すことができるんだ。
馬が反抗しているか、従っているかは首の下げ方で見る。同じにバックしていても首をもたげているときはまだ反抗している。写真のように顎をぐっと引いた形になったとき、馬はこちらに従う意思表示をしている。そうなったら手綱をやや緩め、脚も控える。何であれ馬が従わなければ強い扶助を出し、少しでも良かったら楽にしてやること、このことの確実な判断とタイミングが何より大切だ。
この日のBJは繰り返しパニックを起こしたが、師匠の教えに従ってこちらも暴走の前兆を感じられるようになってきた。暴走しても落ちない、どうだ!という気があった。そうではなくて暴走をされないようにくい止めてこそ、馬をコントロールしたことになることにやっと気が付いた。

今回の乗馬、またまた新たな課題に出会った。

僕とママは5鞍ずつ乗って僕は105鞍、ママは79鞍、一穂は2鞍乗って13鞍。馬は僕と一穂がマックスを加えてそれぞれ19頭目と5頭目、ママは変わらず16頭。
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