乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2008年6月19、20、22日 あぁ・・・ど、どうしたんだ・・・?

一ヶ月後の7月19、20日に開かれる第18回八ヶ岳ホースショーに初めて参加をすることにした。乗馬を始めてから1年9ヶ月足らずでこんなに楽しく馬に乗れるようになるなんて。そしてあこがれの競技会参加だ!たまたま今年の競技会日程に合わせるかのようにその二日間だけがぽっかり休みだった。前後はびっちりオーケストラが出番だから、ほんと、よくぞ空いていたな。はじめは見に行くつもりだった。そうしたらパディの千尋さんが『えー、参加しなきゃつまらないじゃない!』だって。とてもまだそんな・・・『だいじょうぶ、できるできる!』でも・・・『いろんなクラスがあるから』そうですか、それじゃあ。という具合で、まぁ初心者クラスならなんとかなるかなと。

それで前回サンダーでトレイルのパターンを初めてやらせてもらったんだ。これが思いの外うまく(?)できた。だもんだからすっかりその気になったんだ。それで意気揚々と出かけた今回のパディ・・・最初はサンダーで、この前のログがまだそのまま置いてあったから、パターンを復習してまぁまぁよかった。ママもキャロラインでやってみる。ママもきっとじきにできるようになるね。
二鞍目でママと馬を交代した。僕がキャロライン、ママがサンダー。サンダーはトレイルを得意とする競技馬だから、ママが乗ってパターンをやってもなかなかうまい具合だね。馬の邪魔をしなければ、できる馬ならやってくれるんだ。だけど邪魔をしないって事が難しいんだ。

さて、キャロラインはどうかな?なんだか少し重い感じだな。もう少し前に進めなきゃ。なんだか並歩ではほとんど止まりそうでだめだ。いいや、速歩に行っちゃえ。おい!速歩だよ!こら、速歩!くそ!出ないかよ、ボカッ!ボカボカッ!実はキャロラインは以前にも動かすのに苦労したからちょっと苦手意識があった。『馬に言うことを聞かすためにはまず前に出すこと』前に出せなければすべてが始まらない。『1,2,10』賢さんの言葉を思い出す。はじめは軽く1で、言うことを聞かなければ少し強く2で、それでだめならボカッと10で行けと。馬に甘く見られちゃいけない。だんだん僕の気持ちに焦りが出てきているのを必死で押し隠していた。
思うように前に出てくれないキャロラインとの格闘でかなり疲れた。身体がというより気持ちが落ち込んで精神的な疲労を感じていたんだ。3鞍目はBJ。ちょっとしばらくぶりではある。去年は大好きでよく乗った。ただこのところ何度か暴走されている。BJの悪い癖だけど、それを押さえることができなければだめだ。BJのためにも暴走癖は直していかなければ。

初めのうち調子よく走っていた。暴走はさせない・・・そう肝に銘じていた。師匠にフライングリードチェンジを練習するように指示され、久しぶりにやってみる。昨夏の乗馬三昧の夏休み、最後の頃にBJで気持ちよくやっていた。やり方を忘れていたけど師匠に教わり直す。変えるときの重心の移動が難しい。リズムが崩れてしまうのもまずい。だめだぁ、全然できない。

師匠はこれができたら引き続きロールバックの練習に入る心づもりだったと言ったけど・・・できずに終わった。
ママはマックスに楽しく乗っている。周りが楽しく乗ってる中で僕だけがなんだかだんだん泥沼にはまっていくような不安に囚われていた。
このところ少し気になっていた軽速歩の姿勢を師匠に矯正してもらうママ。
20日、山荘のあたりはかなり霧が出ていたけど、馬場はちょうどいい湿り加減。昨日は乾いて砂埃がひどかったからな。

今朝はまずファドに乗る。並歩、速歩から駈歩へとペースを上げる。ファドの苦手な左手前を出す練習をする。出たり出なかったり。だめなら繰り返しやり直す。ただ自分でまだ逆手前に気付かないときがある。どうもまだ揺られ方の違いに確信が持てない。師匠は『僕もはじめはわかりませんでした。でも必ずわかるようになります』まぁ、焦らずたくさん乗って、いずれ感覚で掴めるようになろう。

ママはマックス。どちらかというといつも走りたくて、落ち着かせることに気を遣わなければならないタイプ。でも今の僕にはそういうタイプの方がきっと乗りやすいに違いない。
二鞍目、ママは引き続きマックス、僕はネリーだ。ネリーはパディで最初に乗った馬。たてがみがカールしてちょっとセクシーな美人だけど、このところ少しわがままな一面を見せる。今日はどうかな。

順次歩調を試して駈歩まで順調に行った。何かの弾みで急ブレーキ。あれ?止まれの合図は出してないよ。さぁ、行ってごらん。ほら、前へ!こら、まっすぐ!明らかに何か反抗している感じだ。何が気に入らない?こら、言うことを聞けよ!脚を強めに入れる。動かない。ボカッ!動かない。ボカボカッ!!『やったわね!誰が動くもんですか!』

師匠はこんなとき妥協したらいけないと言う。どんなに強く蹴ってもいいから動かせと。拍車がネリーのお腹に当たるとき、なんとなく僕の心にも痛みが感じられるのを無視しようとしていた。ネリーはほとんど迷走するだけになった。走らせることも、歩かせることすら思うようにならない。完全にそっぽを向かれた。そんな気がして僕はとても寂しい気持ちになった。

3鞍目、BJ。BJも一度止まったらその先何としても動かない。方向も定まらずただうろうろ。もはや今の僕にはどの馬も言うことを聞かせることは難しくなっていた。完全に自信喪失・・・競技会?そんなぁ、無理だぁ。競技会の馬場の真ん中で迷走する馬をどうすることもできずに、しーんと静まった会場で『失格!』と宣言される僕が目に浮かんだ・・・
かつてこんなに惨めな思いをしたことはなかった。まだ競技会で実際に負けたわけじゃないのに。それにはじめから勝とうなんて思ってやしないんだ。ただ参加して精一杯自分のできることをしたい、それだけだ。でも今の僕は何が自分にできるのかさえわからない。もう全部が不安になっちゃった。馬を一歩も動かせないんじゃないか・・・

明後日、レイニングの強化練習日にもう一度来ることになっている・・・このときはそれでもまだ競技の技についてできるかできないかを考えていた。まだどん底ではなかったんだ・・・

ママはマックスと楽しく二鞍を終えて、すてきにツーショット。このあとリボンに乗って締めくくる。
BJにもだいぶたくさんボカボカやった。やっぱりBJの反抗を感じた。何とか言うことを聞かせようと焦る僕、絶対に聞くもんかとそっぽを向くBJ。僕より遙かに力の強いBJの上で、力ずくでこちらの意志を通そうとしていた。

馬を下りてみればそこにいつもの優しい顔のBJがいる。下手でごめん。痛い思いをさせたね。角張っていた気持ちがだんだん丸くなっていくのを感じる。でも一度失った自信をどうやって取り戻せるか、不安が僕を揺さぶっていた。

22日朝、つくし野でアマチュアの合奏団の指導をしてから大急ぎで東名に乗りパディに向かう。レイニングの練習があるから参加したい。それにしても天気がいけないなぁ。高速に乗ってじきに雨が激しくなってきた。御殿場から篭坂峠を越えて山中湖、雨の湖畔を走って河口湖方面へ。パディに着くと馬場は田圃、師匠やスタッフも屋根の下で腕組みして様子を見ている。競技会に参加する会員さんもこの雨じゃ来ないな。実際近くからよく来る会員さんは、『朝来たけれど帰っちゃいました』って。『今日はレイニングのパターン練習、中止です』

あーぁ、せっかく来たけどだめだぁ。『まぁ、乗れないことはないですよ、乗りますか?』そうだなぁ、せっかく来たんだし、一鞍だけでも乗ろうかな。迷惑顔で引っ張り出されたネリーにヤッケを着て乗る。誰もいない馬場で降りしきる雨の中、とぼとぼと歩かせる。あぁ、ネリーもやる気ないよな。ま、そう言うな。それ行くぞ!『いやっ・・・』こら、行くんだ!ボス!『いやっ!』行けよ!ボカッ『・・・』だんだん腹立たしくなっていく自分がいた。今日もやっぱり動かせない・・・腹が立つのは不安の裏返しだった。

ヤッケが防水じゃなかったなんて・・・シャツもズボンも全部ずぶぬれだ。結局雨の中でずぶぬれになって、うろうろと進路も定まらずやる気無く歩いているだけのネリーにボカボカやった分だけ、自分の心の痛みを大きくした。

競技会までに練習に来られるのはあと二日だ。それも7月2、3日で、そのあとは競技会前日まで休みがない。不安は募るばかり。果たして泥沼から抜けられるのか・・・?
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