乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2008年7月30日 確かな手応え!駈歩

競技会が終わってほとぼりも冷めてくると、じっくりと自分の乗馬技術を見直したくなった。トレイルで3位が取れたのはうれしかった。でもそのトレイルでもうまくいかなかったことがたくさんあったし、ましてストックシートメダルは散々だった。何が最もまずかったのか?うーむ・・・やっぱり駈歩だな。

脚のタイミングが逆さまになっているという指摘を受けた競技会前のレッスンで、そのことの意味がはっきりわからなかった。自分にできることとできないことがはっきり現れるのが本番だ。駈歩に不安を抱えたままの競技会本番で、まさにそのとおり、駈歩は思うようにできなかった。

競技会のビデオで初めて自分の駈歩を見る。あれ!?なんだか変だね。まず手がバンザイをしている。バランスを取るのに必死なんだな。脚は?あぁ、ただ揺られるままに跳ね返りで馬の腹に当たってるよ。リズムは・・・なんだ?パカラッのラのときに当たってるじゃないか!逆さまといわれた意味がやっとわかった。強拍が3拍目(パカ)になってるという意味かと思っていた。そうじゃなくて強拍(ラ)に脚が馬体を蹴っていた!これじゃいかん・・・
もう一度今までの師匠の教えを思い出す。3拍子の1拍目(強拍=ラ)のときに横あるいは前に蹴り出す感じというイメージがあった。そのことに意識が行き過ぎて、だんだん脚が外へ広がってきていた。あの最後のレッスンのときに『脚をもっと馬体に近づけて』と言われたことが急にものすごく大切なことのように思えてきた。そういえば師匠が乗ってるのを見ているとちっとも脚がぶらんぶらんしないじゃないか。それに強拍を感じたあとの3拍目(正確には1拍目の前にあるアウフタクトと言うべきだな)のときに軽く拍車が当たる・・・そうか、わかったぞ!いままではほとんど一つ振りの3拍子だったんだな。スッペの『軽騎兵序曲』が馬の駈歩のイメージだった。だけど3拍目にもう少し意識がいるんじゃないかな。デュカスの『魔法使いの弟子』のリズムがいいんじゃないか。1拍目にもっとしっかり鐙を踏んで、3拍目には力を抜き軽く膝を戻す感覚で馬体に触れる。しかも基本的にO脚で馬体を脚が抱え込むようにしたらどうだろう・・・

イメージが一転した。これはかなり大改革になるんじゃないか?そう思ったら早く試してみたくてうずうずしていた。7月30日、早朝に家を出てママとパディに来た。おはようございます!競技会ではお世話になりました。とてもいい経験でした・・・けど、まずいところもたくさん見えてきました。まず駈歩を徹底したいんです。よろしくお願いします。

師匠は僕にジェリーを、ママには新しい馬クレバーを指名した。クレバーはサラブレッドで背が高く、ママ、かっこいいよ!競走馬だったんだってさ。なぜかママは大きな馬に乗るとかっこいいんだな。僕は小さくてかわいいジェリーに乗る。小さいけどジェリーは元気いっぱいだ。
ゆったりとした動きのクレバーとは対照的に、ジェリーは小刻みだ。並歩から速歩へ。今日はまたえらくテンション高い感じ。軽速歩にして反撞を抜く。鐙に立つ感じを掴んで駈歩にも生かせるかな。さぁ、やってみよう。

わずかな扶助ですぐに駈歩になる。手前も間違えない。いままでのように鞍にどっかと座らずに、むしろ鐙に立つくらいの気持ちでしっかり脚に体重を載せる。なるべくO脚にして脚で馬体を掴むようにした。1拍でしっかり鐙に体重をかけ3拍で抜く。特に前や横へ蹴り出そうとせず、1拍の強い反撞を脚で立つことで尻へ伝えないようにした。ちょっと軽速歩に似た感じとも言えるかも。

かなり今までとは違った安定感がある。高橋さん、どうですか?『かなりいい感じに見えます。あともっとお尻が鞍について弾まなくなれば、なおいいです』うむ、お尻は前に比べたら弾んでないと思う。僕のイメージが正しければ完全に反撞を脚で吸収できるはずだ・・・

ジェリーを走らせて、さらに反撞を尻に伝えないように脚に気をつけた。いいぞ!二鞍続けてガンガン走らせたらジェリーは汗びっしょり、僕も息が切れた。だけど何かこつを掴んだ気がする。

写真がママとクレバーばかりなのは、ひとつはクレバーが初めてだから是非とも撮ろうと思ったからだけど、実はジェリーで二鞍かっとんでたらさすがにくたびれて、ママより先に降りたからなんだ。カメラマンはちょっと元に戻りにくいO脚をガクガクさせながらカメラを取りに走った・・・

クレバーは競走馬にしたら割合おっとりしていて乗りやすそう。駈歩は本気で走ったらどうかわからないけど、ゆったり走ってた。昔読んだ岩波の絵本で『花の好きな牛』というのがあったが、あのフェルディナンドと何となくイメージが繋がるなぁ。
食事のあと、今日の2頭目に僕は初めてのモモ、ママはマックスに乗る。馬は種類によってずいぶん大きさが違う。また同じ種類でもかなり個体差がある。モモは北海道から来た新馬で、クォーターホース。クォーターは比較的小ぶりな馬だけど、モモは大きくて背が高い。特に後ろ足が長くてお尻が高い感じがする。最近乗った馬では一番背が高いかも。

『駈歩の揺れが独特なので慣れてもらおうと思います』と師匠。お、鐙が高いぞ!やっとの事で足をかけ、やっこらさとよじ登る。まずは久々の高さにいつものパディが違った景色に見えるよ。

ママはマックスはもう何度か乗って知っている。結構走りたがり屋だ。でも乗りやすいし、なかなかの美男子だから僕もママも気に入ってる。慣らしのあと、マックスが駈歩に移る。うむ、元気いっぱいだな。やたらにスピードを上げたがるマックスに『小さく輪乗りをしてください!』と師匠の指示が飛ぶ。ママが手綱をぐっと引いて輪を描こうとするがマックスの元気はちょっとやそっとでは押さえられない。それでもママは落ち着いてよく乗りこなしているな。

さて、モモも並歩、速歩と試していく。すべてに骨のガッチリしたダイナミックな動きをする。駈歩はどうかな。お!これはかなり力強いぞ。ジェリーで掴みかけていた脚の感じを生かして、大きなモモの馬体にO脚を沿わせしっかり鐙を踏む。3拍目に抜く感じはまさに軽速歩の座る感じに近いな。ダイナミックな反撞にもこれなら付いて行かれる。お尻も弾まない。全く違う種類の反撞のジェリーとモモに同じ技術が対応できることに確信を得た。
夏休みで初心者も大勢来るので、馬場が駐車場側1/3ほど仕切ってある。僕が白樺の側から仕切側を向いていたとき、ママは仕切方向へ駈歩をしていた。なんだか手綱が伸びているなと思った。ママがしきりに手綱をたぐっている。一瞬危ないかなと思った・・・マックスが仕切の手前で左回りにカーブしたとき、やや前傾姿勢だったママがマックスの右側からずり落ちた!すぐにモモを走らせて駆けつけた。師匠、久田さん、中代さんが同時に駆けつけてくれた。中代さんがマックスの手綱を取り、僕がモモを飛び降りると久田さんがモモの手綱を取ってくれた。

幸い大きな怪我はなかった。仕切のフェンスまでまだ距離があったから、砂の上にうまく落ちられたのが良かったよ。頭はそれほど強く打たなかったね。ヘルメットは落ちた弾みですっ飛んでいた。『ストラップをかけていないと飛んでしまいますね』ママは窮屈なのがいやで普段はストラップをしていない。でも一番必要なときに飛んでしまったら被っていても役に立たないね。

助け起こして砂を払い、パイナップルハウスで休ませる。お尻は少し打撲があるかも知れないが大したことはなさそう。千尋さんが『湿布をしておいた方がいいでしょう』と心配してくれたので師匠が取りに走ってくれた。ママは落ちたという精神的なショックでやや動転していたが、じきに落ち着いた。

せっかくいい調子に乗っていたのに、悔しかったね。でもこれも経験だよ。ちょっと手綱に気を取られて集中を欠いたんだろうね。大きな事故にならずに良かった。気をつけようね。
僕も去年の夏に一度落馬したけど、いい刺激になった。乗馬は楽しいが、気を抜けば危険もあるっていうことを肝に銘じなければいけないよ。ママを休ませてしばらく様子を見る。『ごめんね、心配させて。大丈夫だからパパ乗ってきていいよ』

ご心配おかけしました。どうやら大丈夫そうです。で、僕はもう一つ乗っていいですか?師匠がバーニーを連れてきてくれた。モモに乗っていた鞍をはずし、バーニーに乗せる。僕の気に入っている革のがっしりした鞍をいつも師匠は用意してくれる。競技会のときにも忘れず持ってきてくれた。銜をつけ馬場に牽いていく。なんだかいつもよりさらに小さく可愛く感じる。鐙が低く容易に足が掛かる。さっとまたがると、おぉ!一瞬バーニーが尻餅でもついたかと思うほど後ろが低く感じた。モモの尻がそれほど高かったということか。

小さなバーニーだけど、張り切って歩き出した。この一途な感じが好きだ。並歩で二回りほどして速歩へ。小刻みな速歩は軽速歩にしても忙しい。でもペースが安定しているから乗り易い。手綱に対する反応を見て、よし、じゃぁ駈歩だ。腰内もはっきりそうとわかる反応の良さ。気持ちよく駈歩を始める。

脚に関しては前の2頭と同じく馬体に沿わせて1拍目と3拍目に気を配る。バーニーの場合、前に行く気は充分にあるのでほとんど拍車を当てる必要はない。リズムを崩さないように1拍目=踏む、3拍目=抜く、の感触を体で覚えたい。

右の写真では脚が馬体にぴったり付いた感じが見える。うむ、いい形だ。肘も上がらないように気を付けた。
脚を馬体に沿わせると身体全体が今までよりいくらか馬の前の方に乗っている感じがする。上体がまっすぐに脚の上にある感じだ。左の写真では完全に立ち上がったようになっているが、反撞を脚で受け止めたときにお尻を少し浮かせたんだと思う。今までのように反撞でお尻が跳ねたのとは違う。実際にはここまで立ち上がらなくても反撞は吸収できるから、結果的にお尻は常に鞍について行かれると思う。
駈歩をマスターしようという目標は順調にスタートした。あとは体が覚えるまで走り込みたい。いろいろな馬の駈歩に対応できるようにもなりたい。今日の3頭はいずれもよく走ってくれる馬たちだった。でもなかなか走らせづらい馬もいる。そういう馬に適切な脚の使い方でリズムを取ることができるだろうか。次の課題だ。

今までのように鐙が脱げそうな感触はなくなった。しっかり鐙に体重を乗せているので、体重の移行も馬に伝わりやすいと思う。大きく右回りに描いていた輪から思い切って中へ切り込み、馬場の中央で体重を右へ移す。いともあっさりバーニーが右手前から左手前にリードチェンジした。よし!ちょうどそこで時間になって、今日のところは1回しか試せなかった。この次はフライングリードチェンジも練習しよう。きっとできるようになるさ。
駈歩の合間に少し気分を変えてトレイルの復習をした。ログは置いていなかったけど、その場で回ったりバックしたり・・・バーニーはこの前の競技会に馬主の尾中さんご夫妻と初参加した。いつもご夫妻がとても愛情注いで育て、調教しているから、バーニーはとても穏やかないい性格をしている。きっとたくさん練習したんだろうね、僕が何か扶助を出すと『あ、これね!』とうれしそうにやろうとした。ほんとにいい子だ。

今日は午前のジェリーと最後のバーニーの2頭を初めて洗った。2頭とも汗びっしょりだったからとても気持ちよさそうにシャワーを浴びた。こうして馬たちとより近しく心も通じ合えるようになっていくんだ。競技会という大きな挑戦を機に多くのことを感じ、考え、確実に進んでいることを実感している。
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