乗馬日記
夢だった乗馬…ついに現実に!富士の山荘の直ぐ近く、Paddy Fieldに入会。


2008年10月30、31日 駈歩が解決すれば・・・

先週久しぶりにパディに来て楽しかったけれど、ネリーもバーニーも僕がまだ完全に立ち直れていないことを読んでる風だった。いいところもあったけれど、途中で崩れるともうどうにもコントロールできなかった。

この一週間で紅葉がまたかなり進んで鮮やかになっていた。朝の風は冷たく、そろそろ冬も近いという寒冷地ならではの空気だった。

昨夜千葉での本番を終えて帰宅したときは11時を少し回っていた。でもやっぱり夜のうちに行ってしまおう。睡魔と戦いながらようやく河口湖ICで中央道を降り、国道から県道へ、青木ヶ原の樹海の中を走っていると、真夜中の道には狸かなにかいずれ夜行性の野生動物がちょろちょろと車の灯りの中に見え隠れする。無事山荘に着き、部屋を暖め、ちょっと一杯飲んでから風呂に入り、布団に潜り込んだときはもう明け方近かった。

得意の(?)短時間熟睡で6時半頃起きてレミとヴィヴォの散歩に行く。寝不足と寒さにさらされた身体には特にコーヒーの一杯がうまい。
食事を済ませてパディに来たら、カオリンさんが僕にネリー、ママにファドを指名してくれた。今日は高橋さんはいないのかな?指導者資格を取ったカオリンさんも的確な指導をしてくれるし、なんと言っても明るい調子が楽しい。よろしくお願いします!

まずは慣らしから駈歩へ。先週よりもネリーの駈歩にうまくリズムが取れるようになったように思う。脚が逆さまにならないように、鐙を踏むのと抜くのを注意しながら走らせる。そうこうするところへ高橋さんが姿を見せた。珍しくどこか外へ行っていたのかな。おはようございます!カオリンさんが鐙の長さを穴一つ分短く調整してくれた。いつもより少し短いと思ったけれど、『脚の使い方をしっかりさせるためにこのくらいで練習しましょう』はじめは違和感があったけれど、慣れてきたら、踏むと抜くがはっきり意識できていいかな。

だいぶ感じが掴めていい感じに駈歩ができてきた。
二鞍目、高橋さんがログとコーンを並べてトレイルの準備をしている。少しずつ周りを回ったり越えてみたりしながら、馬が置いてあるものを怖がらないように慣らしていく。

12月にパディのコンペがあって、ちょうどオケが降り番なので出ようと思う。トレイルは馬の細かいコントロールが難しいが、だからこそ面白い。サンダーみたいにできてしまう馬に乗せてもらうより、まだまだの馬と一緒に自分も練習してできるようになりたい。ネリーはもうトレイルを練習していてある程度できるけれど、まだ一生懸命考えながらやっているから、ちょうどいいかな。

2本のログが4個のコーンのあいだにやや斜めに置いてある。手前のコーンの左から赤のログを越え、次のコーンの右を通ったら左、右とコースをS字にとり次のコーンの左から青いログを越え、最後のコーンの右を抜ける。進路を見定めて早めの方向指示をしないと間に合わない。

枕を置いた上に乗せたログは馬がしっかり脚を上げなければコツンと当たってしまう。
ママもファドでやってみる。ファドは新しいことには興味津々、以前ゲームをやったときも楽しそうだった。
ネリーが何度もコツンとやるので、師匠はネリーが超えようとするときにログを少し持ち上げる。『ログを蹴飛ばすのはネリーが脚をちゃんと上げないからなんです。少し高くして、これじゃ引っかかるんだということを認識させましょう』そう言えば競技会のときにアメリカのジャッジのホルコンさんも言ってたな。『ログを蹴飛ばさないようにするには、普段から少し高めのを越えさせて脚をしっかり上げるように訓練するんです』

競技会では馬自身によく足元を見させるということができなかった。やさしいと思った動作の中に、意外にもプラス得点のチャンスが隠されていた。馬が落ち着いて自分の足元を見て確実に越える動作をしたらプラス、何も見ずにさっさと越えたら加点減点無し、コツンとやったら減点。
次はL字バックだけど、初めてのママとファドはまずはまっすぐのバックに挑戦。何もないところではバックできても、決まった場所でまっすぐとなると案外難しい。ママは片側を見るのに気を取られていると手綱を片引きしてしまう。また強く引きすぎることもある。『左右均等にゆっくり引くのがポイントです』
じゃぁ、もう一度・・・

そうそう、よく見て、ゆっくり・・・
できたぁ!ファドくん、じょうずね!
『ふぁ、はっは・・・こんなのやさしいふぁ』
『じゃぁ、今度はL字もやってみましょう。手前の切れ目から入ってそこで止まります。そこからバックして・・・』

『今度はこっちからするのふぁ?』
『そこで止まって!それ以上さがると後肢が出てしまいます』

『ふぁ?』
『お尻を脚で押して向きを変えます。はい、そこでちょうどです。次に前肢を馬体がまっすぐ進路に乗るまで回します。馬が後ろにさがりそうになったら脚で止めます』
『これでまっすぐです。そのままさがりましょう』
師匠が馬の動きを解説してくれる。実際には動作が行き過ぎることが多く、戻そうとあわてると今度は反対方向へ行き過ぎるというパターンになる。何事もあわてず、ゆっくりやさしく動かしてやることが大切。でもそれがなかなか難しいんだ・・・
よし、じゃぁネリーもやってみような。

見ているとあそこではこう、そこではこうとイメージするんだが、実際やってみると・・・
ここまで来ると『ここから入ったからここから出るんでしょ?』とお尻を右に振ろうとする。違うよ、反対だ!脚で押してもなかなかお尻がそちらへ行かない。
お尻がそっちへ行かないならせめて顔をこっちに向けてよ。とっさに手綱で首を振ってやったら自然にお尻が回った。後肢もしっかり交差していて、方向を変えるいい動き方だ。あとは前肢をまっすぐに持ってきて・・・

慎重にさがればOKだ!
ママももう一度やってみよう。


『パーフェクトです!』ファドくん、いい子ねぇ!!!『ふぁ・・・』
初めてなのにママもファドもとても上手。やっぱりママは才能ある?

お昼を食べるのに一度山荘まで戻る。トマトとツナのスパゲッティを食べて一休みしてからまたパディに戻ってきた。今度はママがバーニー、僕はキャロラインに乗る。ママは久しぶりのバーニーかな?でも大好きなバーニーだからとても楽しそうに乗ってる。
駈歩で方向を変えようとするとき、ママはついそのほうの手綱だけを引っ張ってしまう。そうするとバーニーは首だけ横を向いてそのまままっすぐに走ってしうまう。先週ファドがカーブで膨らむのに対処したときと同じことで、首をまっすぐに保つように両手綱を使い、手綱で作った平行四辺形の中を馬が進んでいくようにするんだ。

スピードについても微妙な手綱コントロールがある。勝手に速くなるようならゆっくり引いてスピードを落とすが、スピードが落ちたら手綱を緩めることを忘れない。緩めても同じスピードが保てればよし、また速くなるならまた同じように手綱で抑え、いいスピードになったら緩める。この繰り返しで馬の勝手な走りを許さずこちらのコントロールに従うことを教える。

僕は競技会でさっぱりうまく乗れなかったキャロラインでいい駈歩ができるか、このところ悩みつつようやくわかってきた駈歩のリズム、脚の使い方を試すいい機会だ。並歩、速歩のあと駈歩はひたすらリズムに注意を払う。3拍子の強拍=ラのときに鐙をしっかり踏み出し、弱拍のときに抜く感じ。ごく自然にリズムに乗れて、キャロラインが実に力強く生き生きと走ってくれる。あぁ、これなんだ!これが駈歩なんだ!!今度こそわかった気がする。競技会のことを思い出しながら、輪乗りの大小、速歩に落としてのリードチェンジ、ロールバックをやってみる。駈歩さえ思うようにできればほかの事はそう難しくはないように思えた。そしてなんと言ってもキャロラインと気持ちが初めて通じた気がしてうれしかった。
今日のキャロラインの駈歩は衝撃的だった。明らかにひとつの足がかりを得た。あとは体が覚えて自然に動けばいい。なんだか気持ちがぱっと明るくなった。さぁ、明日は何ができるかな。

今日の午後は外人さんの一団体が来て外乗に行き、ほかにも外乗組があったので馬場のスタッフは高橋師匠一人。しかも受付嬢も社長のちんさんもいなくて、師匠が電話番までやりながら我々の様子を見てくれた。キャロラインの駈歩の写真が撮れなかったのは残念だけど、ちょっとお願いできなかった。いつもスタッフの誰かしら手の空いた人が写真を撮ってくれる。おかげで僕のHPは僕にとってすばらしい記録になるんだ。

心地よい疲労感を感じつつ山荘に戻り、すぐに風呂に入って体を温める。お尻が少しすりむけたのがしみるなぁ。でも以前みたいに後じゃない、まっすぐに座ってるからちゃんといい場所(?)がすりむけてるんだ。ぽかぽか気分で夕飯のきりたんぽ鍋を用意する。味付けはママやってね。

たっぷり野菜と鶏の鍋にビールとお酒も入って満足。今夜は早めに休もう。明日また早起きするからね。
今朝は少し曇っているけど風はなく、寒さはそれほどでもない。レミとヴィヴォを連れて散歩に行く。落葉松がだいぶ道に散っている。

松に絡んだつたが色づいて鮮やかだ。
今日は僕がジェリー、ママがココペリに乗る。競技会の後、初めて脚の使い方を直しに掛かったときにいいヒントをたくさん得たのがジェリーの駈歩だった。小柄なジェリーの体に脚を沿わせるようにして初めて安定した駈歩ができた。あのあとまだ多くの迷いに苦しんだけれど、昨日のキャロラインでかなり確信を得た。大好きなジェリーで今日は気持ちよく走ってみよう。先を急ぎたがるジェリーのスピードを抑えながら脚の正しい使い方、リズムを練習する。もうあまり違和感なくリズムに乗れてきた。一度体が覚えればもう大丈夫だ。

調子よく駈歩ができたところで少しゆっくり流して落ち着かせる。実は前から思っていたことがある。ジェリーでトレイルをやってみたいんだ。ジェリーは少しせかせかしたところがあるけれど、とても素直で一生懸命なところが好きだ。僕の気持ちを素直に受け止めてくれる気がする。ログやゲートがセットしてあるあたりをゆっくり歩かせながら、やさしくジェリーと対話する。きっとできるよ。一緒にやってみようか。『うん、一緒ならやってみる・・・』
ログを超えるのは難なくできた。小回りのきくジェリーだからS字も簡単だ。ただ先を急ごうとするから手綱で抑える。ログを超えるときには足もとを見させるから緩める。そこでスピードが上がらないようにジェリーが落ち着きを保つようにしなければいけない。

スピードコントロールは、勝手に行こうとしたら止めてゆっくりバック。手綱を緩めても勝手に進まない、勝手に速度を上げないように繰り返し教える。ジェリーには難しいかと思ったら、案外素直にできるじゃない。いいよ、ジェリー、落ち着いて行こうね。『うん、大丈夫・・・あわてないよ』

今度はゲートに初めて臨む。まずはゆっくり近づくことから。怖くないよ。大丈夫、ゆっくり近くまで行ってごらん。何度か周りを回ってみる。ロープが触るくらいまで近づいた。ほら、大丈夫だろ。『うん、怖くないね・・・』じゃぁ、やってみるからね、ゆっくりでいいんだよ。『・・・』
できたぁ!!!ジェリー、えらかったねぇ。とっても上手にできたじゃない。
『うん、できた!楽しいね・・・』

ジェリーの一途なところがたまらなく可愛い。首筋をなでてやると、冬毛の伸びた柔らかな感触がいっそう愛らしく思えた。
ママはこのところココペリによく乗る。独特の走り方はやや側対歩に近い。

上の写真では完全に前肢後肢が左右で揃っている。
僕は一度しか乗ったことがなくあまりよくはわからなかったが、ママは揺れの少ないココペリは乗りやすいらしい。
駈歩を楽しんだ後、トレイルもやってみる。今ココペリは少し拍車に過激な反応をするから気をつけるようにと師匠の注意があった。でもママは果敢にも、というよりよほどココペリとは気持ちが通じるんだろうね、落ち着いてバックやゲートをやって成功させていた。ママはほんとに馬が好きなんだね。

午前中ジェリーとココペリに2鞍ずつ乗ってお昼にする。夕べの残りのきりたんぽ鍋を、今朝野菜を足して煮てある。暖めればすぐに食べられるんだ。山荘に戻って鍋を食べたら体がホカホカしてきた。今日は日差しがないから日中の気温が上がらない。パディのスタッフは寒い中で一日頑張ってるんだ。大変なことだよね。さっき中代さんが『じっとしてると寒いですよぉ』と言いながらお弁当を食べていた。今度みんなで暖かい鍋を食べに山荘に来てほしいな。
山荘で休んでから、さあ出かけようとしたところで、いつも夏にいらしていて畑の野菜を届けてくださるご夫婦に、この季節としては珍しくお会いした。親しくお話しする割りに、我々が馬をやってることはお話していなかったからびっくりされた。ご主人は大学の先生、奥様は映画評論家の個性的なご夫婦で、夏は畑の野菜を収穫しながらのんびり過ごされている。パディでは食事をしたこともあり、賢さんとも話したことがあるとのこと、ひとしきり話が盛り上がった。

さて、午後はできれば少しジェリーとは違うタイプの馬に乗りたい、またリードチェンジも練習したいと師匠にお願いしておいたら、予想通りBJが用意されていた。去年はずいぶん乗ってとても相性もいいと思っていたのに、競技会前後からおかしくなった。気持ちが通じず、うまく走らせることもできなかった。だけど駈歩の調子がつかめてきたらきっとBJにも乗れる、そんな自信が感じられた。
何のことなく駈歩までペースを上げる。各手前を代わる代わる出したり、ストップやロールバックも混ぜながらとにかく走らせる。

一度手前が逆のまま気付かずに乗っていて師匠に指摘された。うーん、まだよくわからないなぁ。逆手前のときと手前が合っているときの違いが決定的に区別できる方法はないのかなぁ。師匠は感覚で掴んでいるから、それを人に説明してわかってもらうことは難しいんだろうな。感覚的なことは自分で感じ取らなければわからない。

師匠が長方形に4個のコーンを置いた。駈歩が安定したところで、『それではリードチェンジをして見ましょう』さぁ、いよいよ憧れの技を習得するぞ。
4個のコーンで作った長方形の2長辺の間を左手前駈歩で通りまっすぐフェンスまで行く。ぎりぎりで左へ曲がり、長辺からの距離を同じに左へ、長辺に平行に走らせる。同様にフェンスぎりぎりまで直進して左、左でセンターを行く。繰り返し走らせながら馬がリラックスした走りになるまで続ける。手綱を下げ馬がリラックスして速度も安定した状態でセンターに入ったら、外方脚をつけ、ちょうど真ん中で一気に重心を移して反対の脚をつける。このことで馬の手前が変わるが、リラックスした状態で直進を続ける。フェンス際で右へ回る。
気をつける点は、馬がリラックスしていること。手綱を下げてもスピードが安定している。手前を変える準備は2還歩くらい。手前が変わった後は必ず直進してから曲がること、など。また視線は曲がっていく先を見ている。進路を先取りして見ていくこと。

とにかく馬が安定して走るように、こちらもリズムよく脚を使って乗らなければいけないが、その点はずいぶんよくなったんじゃないか。鐙がよく踏めているから上体も安定している。
準備で馬体が斜めになっていたら手綱でまっすぐに修正してから重心移動する。馬の準備が不完全なままチェンジをしようとすると、前だけとか後だけのような半端なリードチェンジになってしまうことがある。また拍車が強く当たりすぎると馬が跳ねることがある。

チェンジした瞬間の揺れにこちらの上体がバランスを崩さないように。そのためにも変えた後をまっすぐに進ませる必要がある。いきなり横っ飛びされたらこちらも姿勢が崩れてしまう。この点は今ひとつだな。

練習中にBJが何かの音にびっくりしてちょっと跳ねたときがあった。でもとっさに右手で手綱を引き、鐙をしっかり踏んで抑えることができた。
ママはバーニーに乗っている。昨日と比べてコース、スピードともコントロールがよくできるようになった。
ママは12月のコンペにはまだ出られるかどうかわからない。でも一応そのつもりで練習だけでもしていたらいいじゃない。
今回は丸二日乗れた。一番の収穫は駈歩だな。たかが駈歩、されど駈歩。駈歩が思うままになれば、ずいぶんほかのことも楽に、自然にできる。ずいぶん長々とスランプに苦しんだけれど、今度こそ抜け出したんじゃないかな。今月はこの後忙しくなるけれど、月末から来月始めにかけては結構まとめて来られそうだ。コンペも楽しみだけど、とにかく乗ることが今までよりずっと楽しくなってきた。
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