石黒 晶(いしぐろさやか)作曲 チェロソロのための絃歌三章


レコーディング ; 千葉 さや堂 2005年11月17日


昼間に日赤医療センター緩和ケア病棟での演奏があったので、さや堂は5時から9時を借りてあった。絃歌三章の本録音はこの4時間に賭ける。

先月のテスト録音のデータと感触を踏まえ、この日のレコーディングははじめから音楽的な表現に重点を置いて行った。ホールの残響を楽器の一部ととらえて繊細且つダイナミックな演奏を目指す。

手早く今井君が機材をセットする。建物が大通りに面しているため車のノイズが入る。対策として前回とは反対向きに構え、マイクが通りに背を向けるようにした。ステージは上下可動式なので下が空洞になっている。演奏すると床板にかなりの振動があるため、マイクはホールの石の床に置いた。マイクとの距離を近づけるため、演奏する位置が前に出てちょうどステージの真ん中あたりになった。
神戸女学院教授の石黒君はこの日の授業をはしょって駆けつけた。

絃歌三章に対する思い入れは今や私も作曲者に負けないかも知れない。自分のイメージはかなりはっきりしている。それでもやはり石黒君がそこにいて率直な意見を言ってくれると新たな発見があり、一人では妥協してしまいそうな小さな疑問が解ける。
お互いが尊重しあう。作曲者の意図と演奏者の感性がふれあうとき。
楽章ごとに一気録りなので集中力が大切。弾き始める前に気持ちを充実させる。
約2時間で無事に全3楽章を録り終える。これで完成というわけではないが、今の時点での一つの形が残せたと思う。

サウンドはこちら
残りの時間で次の目標に手がかりを掴むべく試演する。

コダイのソロソナタ
バッハの組曲1,4,6番

この響きの中で今最も弾きたいのはバッハの4番とコダイという私の結論が出た。


石黒君にも作曲家の耳で聴いてもらい意見を聞く。ホールの響きの重要さがかつてないほど大きく感じられるという点で演奏家、作曲家双方の意見は一致。
さや堂での録音はあくまでも実際のホールの響きを忠実に捕らえること。もちろん機械的なエコーは全く入れない。マイクは手作りの金田式マイク。演奏もつぎはぎなしの一気録り。

写真左から録音の今井君(メディアチャパ)、マイク制作者の毛利さん、私、作曲家の石黒君。
12月2日、バッハの無伴奏組曲第4番のレコーディングをします。

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