第13回クロスクラブコンサート

2008年10月12日(土)


秋らしい爽やかな空気の朝だったので、今日はいいなと思いました。クロスクラブのコンサートはやっぱり陽気が良くないと・・・

庭のコブシの実がそろそろ赤くなっている頃だろうと思ってきてみたら、あれ?木を見上げてみても実はほとんどありません。ここ数日、何十羽というカラスが来て食べ尽くしたとのこと、大好物のようです。ついでに落とし物もたくさんしていくから、毎日何度も掃除しなければならなかったとか。そういえば以前やはりカラスが来るので、テーブルをずらして木の真下じゃなくしたことがありましたね。

コブシの木の脇で真っ赤な実をこぼれんばかりに付けている木がありましたが、こちらはおいしくないのかな。全くつついた形跡はありません。
鉢に植えられた小さなハゼの木がもう色づいています。早い時期に一度かなり冷えた日がありましたから、なんとなく早々色を変え始めたということでしょうか。緑と赤が鮮やかな対比になっていました。

いつもコンサートの当日はリハーサルの合間に庭を眺めてその季節の情報を得ます。いろいろな植物が季節ごとに表情を変えて、同じ場所であるが故の楽しさが味わえるのです。

さてそろそろお客様も入られて開演時間かな。
本日はようこそおいでくださいました。今日はいいお天気でクロスクラブのお庭はとてもすてきですが、コンサートの間はちょっとカーテンを閉めさせていただきます。

さて今日はヨハン・セバスチャン・バッハの作品を中心にチェロとスピネット、オーボエで演奏いたします。とかく難しく考えがちなバッハをもっと身近に、楽しんで演奏できたらと思います。中には耳になじみのある曲が違った楽器の響きで演奏されるということもあります。お楽しみいただけましたら幸いです。
最初に無伴奏チェロ組曲第1番ト長調を演奏しました。バッハの無伴奏チェロ組曲はよくチェリストの聖書と言われます。それは常にそばに置き、日々親しんでそこから得るものが限りなくあるということでしょう。決して難しいから読まずに棚へしまっておくもの、近づきがたいものという意味ではないと思います。
2曲目はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハのオーボエと通奏低音のためのソナタト短調です。伴奏のスピネットに低音部はチェロを重ねます。オーボエの佐竹さんは東京フィルの首席奏者です。
ピアノの演奏ではお馴染みのバッハの3声のシンフォニアや2声のインヴェンションを今日はまずスピネットで、またオーボエとチェロのデュオで演奏します。バッハの時代にはもちろん今のようなピアノはなかったので、私たちが普段耳にしている演奏は当時はあり得なかったわけですね。

3声のシンフォニア第11番ト短調(スピネット)
2声のインヴェンション第11番ト短調(オーボエ、チェロ)
2声のインヴェンション第14番変ロ長調(オーボエ、チェロ)
平均律クラヴィーア曲集第1巻第21番変ロ長調(スピネット)
お気づきでしょうか、今日の曲目ははじめがト長調であとはト短調、そしてその平行長調の変ロ長調です。後半のオーボエソナタとガンバソナタもト短調、哀愁のこもった秋らしい調性にこだわっています。
今日演奏しているスピネットとは小型のチェンバロで、弦が鍵盤に対して斜めに張ってあるのが特徴です。ちょうどハープを横にしたような形をしています。因みに同じく小型チェンバロでも弦が真横に張ってあるものをヴァージナルと呼びます。

大型のチェンバロのように鍵盤が2段でカプラー(2つの鍵盤を同時に鳴らす)やオクターヴ上の4フィートを合わせるような機構は一切無く、一つの鍵盤に対しては一本の弦の音しか出せません。単純なだけに表現手段はひたすら語り口によるということになります。音量や音色の違いによらない、語り口だけで説得力のある演奏が求められます。

前半の最後にバッハより150年ほども以前に生まれた英国のルネッサンス音楽の作曲家、ウィリアム・バードの3つのフランス風クラントを演奏します。
シェークスピアの時代の音楽の雰囲気を感じていただけましたでしょうか。

スピネットはなかなかいい響きを持った楽器に出会いませんが、このスピネットは本当にすばらしい響きです。偶然出会った楽器で、しかも初めてスピネットという楽器に接したのがこの楽器だったことは何と幸運だったことでしょう。

またこの楽器によって調律の楽しさも知りました。本当に心地よい響きが調律によって生まれます。弾かれた弦の響きがお互いに寄り合っていく瞬間は何と美しいのでしょう。
休憩
後半はヨハン・セバスチャン・バッハのオーボエソナタト短調を演奏します。原曲はフルートソナタロ短調と言われています。バッハの作品には原曲をほかの楽器用に調性を変えて編曲したものが多数あります。
プログラムの最後はヴィオラ・ダ・ガンバソナタト短調です。
ヴィオラ・ダ・ガンバの一族は一体にヴァイオリン族よりも木が薄く張りも弱いため、音量が小さく、次第に大きなコンサートホールでの演奏が盛んになるにつれ廃れていきました。弦は6弦で基本的に4度調弦(ヴァイオリン族は5度調弦)、指板はフレットがあり比較的平らなので重音奏法がしやすいのが特徴です。このソナタは現在ではチェロまたはヴィオラで演奏されることが多いですが、古楽ブームによりオリジナル楽器で演奏されることもしばしばあります。

プログラム終了後、バッハのインヴェンション第13番イ短調をオーボエとチェロで、ファーナビーのスペイン風舞曲をスピネットで演奏しました。
コンサートが終わってカーテンを開けると、庭にはすてきなご馳走とハーブの香りが用意されていました。

NPO日本コミュニティガーデニング協会の皆さんが手作りのお料理とお菓子、ハーブティーを用意してくださいました。
お馴染みのお客様も増え、和やかなおしゃべりが続きます。

MY FAMILY &
PHILHARMONIEKAMMERENSEMBLE
クロスクラブ