Karmann Ghia Diary
時と場所が変われば、つまり背景が変わればカルマンの表情も変わる。

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夏の終わり(1) 2004/08/23

ぜんぜん乗らなかったわけではないけれど、さすがに夏の暑い日盛りはオープンカーに乗る気にならない。走っていればまだいいけれども止まるとまるで耐熱皿に盛られてオーブンに入れられたようだ。ちょっと車を降りて再び座席に座ろうものなら、お尻を火傷するほどにシートが焼けている。そうかと言ってクーラーもないのに黒い幌を閉めて走るのも気に入らない。オーブン焼きと蒸し焼きでどっちがいい?と問われているようだ。早く秋になれと願う毎日だった。

今年の夏の暑さは異常じゃなかったか?しかしこの異常なほどの暑さを喜んだものもあった。うちの玄関のピンクのノウゼンカズラ。今年ほどよく茂りよく花を咲かせたことはない。植物に関してはとにかくほったらかし、好きに伸びさせ、好きに虫に喰わせ、好きに雑草と競争させる。生き残れるものがここの環境にあってるんだから一番きれいだなどと勝手に思っている。
台風の影響で雨が降り突然気温が下がったのは8月ももう終わりに近づいたころ。久しぶりにカルマンを引っ張り出し、伸び放題咲き放題のノウゼンカズラの前に置いてみた。これからはだんだんいい季節になるな。また深い付き合いをしようじゃないか。語りかけながら積もったほこりを落としてやった。きれいにしてやるとやっぱり美人だね。
カルマンははじめから調子いいと思っていたが、やっぱり40年以上の年数を経ているのだから、どこがどれくらい消耗しているのかは気にしたほうがいい。これまでのオーナーがどんな乗り方をしていたのかわからないし、いつどんな手を入れたのかもわからない。そう考えるといささか不安になった。

ちょうど半年経ってオイルも換え時だと思ったから、思い切って信頼できる整備工に預けることにした。車好きの義弟が絶対の信頼を置くMオートサービスに約3週間預けてとことん消耗部品についてはチェックしてもらった。
帰ってきたカルマンは見違えるほど若返っていた。見た目じゃない、その健康な走りっぷりだ。エンジンの音は軽やかでリズミカル、アクセルをちょんと蹴ると実にふけがいい。加速もいいしハンドルのブレは全くない。そうか。こんなに元気になるもんなんだ。一度完全な状態を知っておけば調子を崩したときにすぐわかる。さあこれで安心、どこへでも行けるぞ!と思ったのが4月ごろだった。ちょうどカルマン日記にある4月の富士行きの後のことだ。思えば結構危ないことを知らぬが仏でやっていたような気がする。

せっかく快調になったカルマンだが、その後こちらが忙しかったのとやがて夏になってしまったのとでさっぱり乗れなかった。
あまり普段仕事で乗ることがないとしても、車のためには週に一度くらいは少し走ってやったほうがいい。それがなかなかできなかったから辛かった。3週間くらいも乗らずにいると、エンジンがかからなくなっていないかと心配になる。タイヤは大丈夫かな。オイルは?恐る恐るかけてみるとちゃんとかかった。早朝の近所を軽く流す。九品仏のお寺の前で一息つくカルマン。
秋から冬は僕とカルマンの季節だ。そうそう、ヒーターもこの冬はばっちり効くはずだ。あの腰のあたりにほんわかとくる暖かさがなんともいいんだ。だけど去年はヒーターの温風を送るパイプが一本外れてた。それで零下の山道をオープンで走ってたんだから寒かったわけだ。この冬は楽しみだぞ。
秋から冬は夏以上に忙しくなる。でもきっと朝暗いうちに起き出してでもカルマンと遊ぶ日があるだろう。やがて10月になればカルマンがうちへ来て1年になる。すっかり我が家の家族の顔になった。
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